“メンヘラチャン”の生みの親、江崎びす子。
変化後の今が一番「自分が表現したかった自分」
撮影:外舘 翔太
「好きな色はピンク」
自身の作品も、自分自身も“好き”に表現する
「最初に手に取ったクレヨンの色、ピンク色だったよ」と、親に教えてもらったという江崎さん。物心がつく前から、“ピンク色”がかわいくて大好きだった。人の目を気にしてピンク色を使わない時期もあったというが、江崎さんの心にはずっとピンク色があったのだという。
「周りの目を気にして、あえてモノトーンカラーの洋服を選んで、目立たないように生きていた時期もありましたね。でも、義務教育を終えたあたりから、『ここからは好きに自分を表現していいんだ』と気づいて、徐々にピンクに戻っていって。高校卒業前くらいから“病み”と“かわいい”の要素をかけ合わせた“メンヘラチャン”を描き始めて、メンヘラチャンのピンクな世界観と自分自身をもっとリンクさせたいという思いが強くなって、今のような格好に落ち着きました」
代表作である“メンヘラチャン”は、タブー視されがちなメンタルヘルスの要素を含みながらも、ピンク色のツインテールとかわいらしいビジュアルが目を引き、サブカルチャーや青文字系ファッションを好む層や、海外からも大いに支持を集めている。
「もともとは、自分が精神的に落ち込んでいた時期に、現実逃避として描いていたキャラクターなんです。かわいいものやピンクのものがずっと大好きな自分と、落ち込んだり、病んだりしている自分をどちらも隠さずにアートへ落とし込んだのがメンヘラチャン。最初は落書き程度だったけど、SNSで発信し始めたら、共感の声がたくさん届きました。メンヘラチャンは、病んでいる子たちに一番寄り添えるキャラクターでありたいですね」
二重埋没施術を受けたことで、一重も二重もコントロールできるように
イラストレーターだけではなく、モデルとしても活動をする江崎さん。そのときの気分に合わせて、洋服のコーデやメイクを楽しみたいと考えて、自身の一重まぶたを生かすメイクをしたり、アイプチで二重まぶたをつくったりと、日によって二重幅を変えていたのだとか。しかし、アイプチを長年続けたことによりまぶたがひどく荒れてしまい、医師に相談したところ、「これ以上アイプチは出来ないから、二重にしたいなら埋没をしたほうがいい」と勧められた。
「二重の施術を受けるのはいいとしても、自分のスタイルの可能性を狭めたくなかったし、自分の一重まぶたも嫌いじゃなかったから、担当の先生に『一番ナチュラルな二重幅にしてください』って伝えました。ぱっちり二重もかわいいけど、私は一重も二重もコントロールしたかったから。おかげで、普段はこの目元で、意識をしたら二重にもできるようにしてもらえて、理想のまぶたになりました」
自身にとって理想のまぶたを手に入れたことで、「内面の自信もついた」という江崎さん。自信がついたことによって人とのコミュニケーションが円滑にすすむようになったり、これまでは自撮りじゃないと嫌だった写真が、他人が撮るものにも写れるようになった。
「一重だったときは、『睨んでる』とか『怒ってる』とか、勝手に勘違いされることがあったんですが、施術を受けてからはそれがなくなって、フラットな状態で対人関係を築けるようになりました。自分自身の恐れや躊躇もなくなったというのもあるかも。写真も、アイプチではあまり盛れなかった他撮りでも盛れるようになって、加工の手間も少なくなって。人生が変わり始めた感じでした」
歯列矯正で横顔が変わった
“自分の表現したい自分”でいられるようになった
二重埋没後、「ずっとタイミングを見計らっていて、やっと取り掛かることができた」という“歯列矯正”をはじめた江崎さん。歯並び自体は整っていたが、人よりも歯が多く、口元が前に出ているように見えることがずっと気がかりで、直したいと考えていたのだとか。しかし当時、江崎さんの歯は親知らずが生えかけだった。この親知らずが歯列矯正後に健康な歯を押してガタついてしまわないよう、生え揃うのを待ってから抜く必要があったため、スタートするまでに時間を要したのだ。
「歯列矯正が終わるのに何年もかかったし、今も寝るときはマウスピースが必須。金額も日々の痛みやケアも大変だけど、“人生が変わった”って思うくらい満足しています。自分の横顔にも自信がもてるようになりましたし、二重埋没をしたときもそうだったけど、より人と話すことができるようになりました。外見を変えたことで、内面にも大きな変化が出て、本来の自分以上のものが出せるようになったという感じ。どこに行っても堂々としていられて、あまり言葉に詰まることもなく、会話ができるようになったんです」
また、イラストレーターやモデル活動をするなかでも、江崎にさんにとって美容医療はプラスに作用したようだ。
「モデルの仕事はもちろん、イラストレーターとしても、グッズをつくってイベントで売ったり、お客さまの似顔絵を描いたりと表に立つ機会がよくあるんです。『メンヘラチャン』の作者として、作風と自分自身をリンクさせたい、世界観がより伝わるようにしたいと考えたとき、美容医療をする前の自分より、したあとの自分のほうが、“自分が表現したい自分”でいられています。だから、自信を持って人前に出られる。もし美容医療をしていなかったら、表に出る活動は積極的にできなかったんじゃないかなって思うほどですね」
内面を変える “とっかかり”は外見を変えることだった
外見を変えていくことで、内面が変わっていくことを実感した江崎さん。以前は、自身の外見を否定されたり、周りと馴染めなかったりした経験で「どんどん性格がひねくれていった」と語るが、自分の外見を変えることによって、ひねくれた気持ちも、おだやかに変化していったという。
「結局、自分が変われば周りも変わるんです。他人は変えられないから、自分が変わるしかない。外見を変えるというのは、内面を変えていくために必要なステップアップだって私は思います。外見を変えるのはあくまで“とっかかり”。美容医療をして、外見以上に内面を良い方向に変えることができました」
何事も、後回しにはしない。人生、後悔したくないから
最後に江崎さんは、「後悔しないように、何事も後回しにはしないようにしてるんです」と教えてくれた。
「私は、遊びたいと思った友達とはすぐに遊ぶし、着たいと思ったファッションはすぐにする。美容医療だって同じで、あとで後悔しないように、やりたいと思ったらすぐに行動します。重い言い方になるかもしれませんが、人はいつ死ぬかわからないから。他人にだって、もちろん自分の身にだって、いつ何が起こるかわからない。だから、『あのときああしておけばよかった』という後悔をしないように。自分の直感を信じて、後悔なく人生を生きていけたらなと思います」