Documentary

他人はいい意味で自分のことを気にしていない
「二重」が気づかせてくれたこと

2024.01.31
渡邊洋子
取材・文:桑原 恵美子
撮影:荒 眞人
渡邊洋子 経験施術は二重施術、糸リフト、目の下のクマ取り、ホクロ除去、脂肪溶解注射。
1991年生まれの32歳。人材派遣会社で募集広告の制作や進行管理をしている。趣味は映画鑑賞で、月に2~3回は映画館に足を運ぶ。絵を描くこと、一人旅も好き。
一重まぶたにコンプレックスがあり、高校時代からアイテープで二重にしていた渡邊さん。「人の目を気にする方なので、アイテープが気づかれないかいつも不安だった」という。二重手術に対しても「知られたらどう思われるか」という不安が大きく、決心するのにかなりの勇気が必要だった。しかし施術後は、意外にも後ろめたさを全く感じなくなったという。その理由は……?

アイテープがバレないか、いつも人の目が気になっていた

「趣味は映画鑑賞と、イラストを描くこと。特に映画は大好きで、月に2~3回は映画館に行きます。一番好きなのはディズニー映画や、『ハリー・ポッター』みたいなファンタジー映画ですね」

ONEドキュメンタリー取材渡邊さん

穏やかでやさしいトーンの話し方と、かわいらしさと上品な落ち着きを感じさせる雰囲気は、渡邊さんの好きな映画のジャンルにぴったり一致している。そんな彼女が最初に就いた仕事はファッション雑貨の販売職で、それなりに楽しかったそう。だが、休日が不規則で友人との時間を持てないことや、生活が安定しないことから、25歳のときに人材派遣会社に転職した。

「私がやっているのは、営業担当者からのデータをもとに募集広告をつくることと、掲載までの進行管理。シートに書かれたアピールポイントなどを参考に、簡単なコピーを書くこともあります。直接、求職者の方とお会いすることはないですが、自分の携わった募集広告で採用が決まったと聞くと、やりがいを感じます」

一人旅も好きで、旅先では臆することなくいろいろな場所を歩き回るという、アクティブな一面も持つ。だが「実はまわりの目を極端に気にするタイプ」と自分の性格を分析する。特に一重まぶたにコンプレックスがあり、高校時代からずっとアイテープで二重にしていたが、常にそれを人に気づかれるのではないかと気になっていた。

ONEドキュメンタリー取材渡邊さん

「いつも自分のまぶたが気になっていて、人と話をするときも、目を合わせるのが得意ではありませんでした。一人で行動しているときは平気なのに、人と一緒にいるときは二重にしていることを気づかれないかと気持ちが後ろ向きになっていたかもしれません」

二重手術をしてその煩わしさから逃れたいと思いつつ、二重手術に後ろめたさも感じていて、施術に踏み切る決心はなかなかつかなかった。

いい意味で、人は私のことをそんなに注意して見てはいない

そんな渡邊さんが初めてトライした美容医療は、目の下のクマ取りだった。

ONEドキュメンタリー取材渡邊さん

「会社帰りに電車の窓ガラスに映った顔を見ると、目の下の影が濃くなっていて、老けて見えたんです。『前はこうじゃなかったのに』とショックで……。そんなときに、クマ取りの割引キャンペーン広告を見ました。クマを取るのは二重手術よりもハードルが低かったので、思い切って施術を受けてみたんです。そしたらすっぴんのままでも、前より表情が明るく変わって見えて、印象が良くなって……。嬉しかったですね」

その体験で美容医療に対するイメージが変わり、二重手術へのハードルが下がったため、思い切って施術を受けてみることを決意した。

「二重手術をした後に、ドキドキしながらまわりの人にカミングアウトしたら、『気がつかなかった』『そう言われたら、確かにちょっと変わったかな?』という程度の反応。いい意味で、人はそこまで私のことを見ていないということに、初めて気がついたんです」

ONEドキュメンタリー取材渡邊さん

施術後はアイテープに気づかれる不安から解放され、生活しやすくなった。だがそれ以上に、かつての自分が狭い心で、自分のことを勝手に評価していたことに気づくことができたのが、大きな変化だと語る。

「顔にホクロが多いことも気にしていたので、ホクロを取る手術もしました。そのときは『ホクロ、無くなった?』と気がついた人もいましたが、そこまで気づかれなかったですね」

今までは口もとにコンプレックスがあり、口を開いているところを見られるのが嫌で、笑うときは手で口元を隠す癖があったというが、二重手術以降、どんどん人の目が気にならなくなっていった。

「その癖を直したいと思っても、どうしてもやってしまう。だから、マスク生活はある意味、救いだったんです。でも施術後は、すっぱりやめられました。私が口を開けて笑ったって、誰もどうとも思わないってわかったからです」

ONEドキュメンタリー取材渡邊さん

韓国の美容医療事情を見て、吹っ切れた

美容医療に後ろめたさを感じる必要はない。その発見が確信に変わったのは、脂肪溶解注射を受けるために訪れた韓国での光景だった。

ONEドキュメンタリー取材渡邊さん

「美容医療を受ける人が多いということは情報としては知っていましたが、実際に行ってみると、ある通りでは美容医療専門の病院が軒を連ねていましたし、明らかにダウンタイム中の人がそのままで堂々と歩いているんです。老若男女が、お化粧の延長のような感覚で普通に美容医療をしているのを見て、自分が抱いていた後ろめたさはなんだったんだろうと思って、ある意味、吹っ切れました」

コンプレックスがあって前向きに生きていけない、でも美容医療を受けることには後ろめたさを感じているという人に、自分の経験を伝えたいと思い、今回の取材に応募したという渡邊さん。

「施術を受けたからって、自分という軸が無くなるわけじゃない。逆に、付加価値を付けて自信をプラスするためにあるものなんだと、今は思っています。だから、後ろめたさを感じる必要は全くないのではないでしょうか」

ONEドキュメンタリー取材渡邊さん

「自分らしさを変えなくても、できることがある」ということを伝えたい

将来の夢は、キャリアカウンセラーになること。現在の派遣会社の仕事はバックオフィス業務なので、求職者と直接会うことはない。だが営業担当者などから「本人にやる気があっても、企業側がそれをキャッチできず仕事に結びつかない」という話を聞くことが多く、「自分ができることはないか」と考えたのがきっかけだという。

「その夢をかなえるために今、通信教育で心理学を学んでいます。公認心理士の資格を取得してキャリアカウンセラーになれたら、悩んでいる方に、『自分らしさを変えなくてもできることがある』ということを伝えたい。思い通りにいっていない方の背中を押すというよりも、そっと寄り添う形で、その人が望む人生を歩けるようお手伝いができる人になりたいですね」

ONEドキュメンタリー取材渡邊さん
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