多忙な映像ディレクターと美容医療、“ミーハー心”が支える持続力と向上心
撮影:小川 遼
30歳。高知県出身。地元で陸上の強豪校に進学するも怪我で引退。その後上京して、東放学園映画専門学校へ進学。卒業後は制作会社でのアシスタントディレクターを経て、現在はディレクターとして勤務。
ディレクターとしてアンテナを張る多忙な日々だけど……
テレビ業界に7年間携わっている西あんずさん。ここ数年、年末年始は休んだことがないという多忙な日々。ハードな毎日を続けてこられた理由を聞くと、「私、ミーハーなので(笑)」と明るく答えた。
「この仕事に就いての一番のモチベーションは、中学生の頃から大ファンだったアーティストに会うこと。ありがたいことにこの夢はかなったのですが、まだまだ会いたい人はいるし、むしろ増え続けているんです」
自分が好きなアーティストを広く世界に伝えていきたいという西さん。具体的な仕事内容について聞くと。
「現在は音楽番組のディレクターとして勤務しています。現場に直行するときはハードになりますが、それ以外の日はだいたい11時に会社に行って21時頃退勤。帰宅したらまずはテレビをつけて、仕事として新しい情報を何かキャッチできないかと思って観ています。そこでまたミーハー心も働いて、新たな会いたい人を見つけたりもしていますね(笑)」
1日のうち“素”のままの目だったのは、顔を洗うときなどほんの少しの間だけ
ディレクターとして、日々アーティストに番組の段取りを説明する西さん。「以前は自分の顔をさらすのが怖くて、スタッフや出演者など目の前にいる人にうまく説明することもできなかった」という。
「小学校までは、自分の顔をそこまで気にしてなかったんですが、中学生に入ってみんながおしゃれでかわいいのに衝撃を受けました。自分もかわいくなりたい。私は重めの一重まぶただったのですが、“アイプチ”を使って二重まぶたにするようになって、毎日登校前に1時間アイプチに時間を要していました。少しの時間でも一重まぶたでいるのが嫌で、寝るときもアイプチを外さなかった。1日のうち“素”のままの目だったのは、顔を洗うときなどほんの少しの間だけ。だから、自分でも元の自分の目元を思い出せないくらいなんです(笑)」
地元の陸上強豪校に入学し活躍するも、高校2年生のときに怪我で引退。自分のことを誰も知らない場所を選んで上京したが、読者モデルで活躍するクラスメイトもいるなかで自身のコンプレックスは強くなっていく。専門学校を卒業した後、現在の職に就くのだが、入学前に初めての二重埋没施術に踏み切る。
「いつもアイプチをしていたので、周囲から見たらさほど変化はなかったようですが、アイプチをしないで外に出られる感動は今も忘れられません。ですが、施術を受けたときは“半永久的”と言われたのに、5年で完全に取れてしまって……。別のクリニックでまた二重埋没の施術を受けたのですが、今度は1年で取れてしまいました。そんなタイミングで、バーで飲んでいるときに酔っ払いの男性に『ブス』と絡まれて、本当に落ち込んでしまって」
出演者にも、「あのスタッフ、ブス」と思われているかもしれない。このままでは仕事に支障も出るし、いい加減自分に自信が欲しい。そう考えて3度目の二重施術を受けたのが2022年。過去に2回失敗しているため、どこでどの施術を受けるかは慎重に検討したと言う。
「クリニック名で選ぶのではなく、私のなりたい理想の目元に似ている症例の人を探して、それを施術された医師を選びました。リサーチしまくって選んだ先生に相談して、二重埋没法と目頭切開を受けて“平行二重”にしていただいたのですが、本当によかった。友だちや同僚からも『変わったね』と言われます。私を見て、やってみようかなと検討している子もいます」
自分がイキイキとするための出費は、多少高額でも“必要経費”
「今は本当に満足している」と晴れやかに語る西さん。来るべきマスクを外すときのために、今のうちに他の気になるところはメンテナンスしたいと言う。
「今、子どもの頃からあるそばかす除去の治療を受けています。あとは鼻も高くしたいですね。目元の施術を受けたことで、前を向いて歩いていけるようになったので。それと、施術を受けたことは、友だちにも今まで付き合ってきた人にも全てオープンに話しています。思っているほど美容医療に偏見を持っている人は少ないと思います。周りは気にしないで、まずはカウンセリングを受けることをおすすめしたいですね」
施術費も安くはないと思うのだが、そのあたりは……。
「あくまで必要経費だと思っています。自分で働いているお金を使っているし、生き生きと仕事ができるなら高いとは思わないです。あとは、恋愛にも前向きになれたらなと思います(笑)」
長身でシュっとした体型と、陸上で培った運動神経を活かし、キックボクシングのレッスンを受けているという西さん。忙しい日々のメンタル維持にもひと役買っているのだそう。
「誰かに理不尽な目にあわされたときは、心の中で“2パンチくらいで勝てるな”と思ってその人を、頭の中でボコボコにしています(笑)。まだまだ女性の存在感を高めていかなくてはいけない職種ですし、メンタルが弱いと潰れていってしまいますから。これからも現役で現場に出たいし、会いたい人もたくさんいます。ミーハーはまだまだ卒業しません(笑)。そのアーテイストが好きな人が満足してくれて、そうではないひとりでも多くの人が興味を持ってくれる番組づくりをしていきたいですね」