波及力と表現力を備えた人情派、“一生ギャル”でいく宣言
撮影:小川 遼
35歳。宮城県生まれ、東京都育ち。専門学校を卒業後、アパレル会社に就職。6年勤務した後、建築系の事務職を経て、現在は商品開発やマーケティングなどブランディング関連部署の事業部長として勤務。
ギャルって人が好きで、人思いで、優しい。
『egg』『nuts』『小悪魔ageha』などの雑誌、「女子高生ミスコン」「男子高生ミスターコン」などのイベントに携わる会社で、商品開発、マーケティング、広告宣伝、クリエイティブ監修、ブランディングなどを担当する小幡友里さん。“ギャル”と呼ばれるティーン女性と日々接しているが、35歳になった今も、彼女たちとの間にギャップは感じていない。
「私自身、高校1年のとき、ギャルサー(ギャルサークル)に入っていた元ギャル。姉がつくったサークルだったのですが、“高校生になったらギャルになるもの”と思って生きてきたので、自然な流れで入りました(笑)。アパレル会社で働いた後、お固い会社の事務をしていたんですが、元来楽しいこと好きな私の性格には合わず、『おもしろいことがやりたいな』と思っていたところに、ギャルサー時代の先輩が今の会社に誘ってくれたんです。私自身、10代から今まで実はずっとギャル気分は抜けていなかったので、すぐに仕事は楽しくなりました。やっぱりギャルは可愛いです(笑)」
元ギャルである小幡さんは、ギャルの波及力、そして人間としての魅力をこう語る。
「今も昔も、流行はティーンがつくっていくものだと思うんです。ギャルがどんなことを求めているかリサーチしたり、逆に世間に流行らせたかったらギャルにPRしてもらったりを企業などに仲介するのが私の役目です。そして今も昔も、ギャルって人が好きで、人思いで優しい。今のギャルもあたたかい性格の子ばかりです。私のギャル時代の友だちはみんな結婚して、見た目のギャルは卒業していますが、話せば根っこの部分はまだギャル。私はずっと髪色を明るくしていて、見た目もギャル気分ですけど(笑)」
「姉の影響を受けて育ってきた」という小幡さん。あこがれの人は、ギャル時代も今も、姉が好きだった、倖田來未さん。
「もうすぐ40歳になられるんだと思いますが、いつまでも派手で若々しくて、明るい感じが好き。いろんな意味で影響を受けていると思います」
「ここぞというとき」のみにかける、美容に費やす金銭にはメリハリを
美容クリニックに携わる仕事内容もあり、入社当初はクリニックの事務も経験。現在もタイアップを手がけることもあり、モデルに紹介したりすることもしばしば。自身でも美容医療を受けてみたいと、ずっと思ってきたのだそう。それを実現させたのは2022年。
「私、昔から“ダイエット民”で、ダイエットを頑張ったり、頑張らなかったりを繰り返してきたんです。でも頑張って体重が落ちたときでも、絶対に顔のラインだけはスッキリしなかった。なので、美容医療でまず受けたかったのは“顔”です。カウンセリングを経て、フェイスラインの顔脂肪吸引と額に脂肪注入してバランスを整え、糸リフトを同時に受けてさらに引き上げました。痛くはなかったんですが、ダウンタイム時には顔にアザができましたね。脂肪吸引は一回受けたら肉がつくことがないと聞いていますし、受けてよかったです。糸リフトは定期的に受けたいですね、あと唇にヒアルロン酸を入れるのも体験してみたい!」
以前から、美容医療に抵抗はなかった。思い返せばそれは、“韓国好き”だったのが影響しているのかも、と小幡さんは言う。
「BIG BANGや、まだブレイクする前のBTSが韓国好きになったきっかけです。韓国に旅行に行くと、ダウンタイム中の人が普通に顔の腫れを気にせずに歩いていたりなど、全く美容医療に偏見がないんですよね。コロナ禍になり、気軽に韓国に行けなくなってからは、韓国ドラマや韓国映画を楽しんでいます。好きな作品は『彼女はキレイだった』です」
目に見える効果があらわれる美容医療に奮発したことに対して、悔いはない。しかし、お金は効果的に使いたいというのは常にある。
「今までいろんなダイエットを試してきましたが、今は、“いかにお金をかけずにキレイになるか”に行き着きました。何かに通うのも続いたことはないし。8時半に起きて会社に行って、19時が定時なのですが、会社から家までを歩いて帰ることにハマっています。3カ月ほど経ちますが、体型維持も体調も良い感じです。それでモチベーションが上がって、毎日半身浴で1時間湯船に浸かって、寝る前のストレッチも欠かさないようになりました」
生まれ変わっても、もちろんギャルになりたいです(笑)
最近ではすっかりインドア派なのだそうだが、旅行も飲み会も大好き。自身のインスタグラムの自己紹介でも「仕事も遊びも全力で」「人生楽しんだものが勝ち」など、ポジティブ思考をスローガンに掲げている。
「前職で固い職場に勤務しているときに、『楽しく生きたい』と強く思ったんです。仕事でミスをしたらもちろん反省はしますが、『まぁこんなこともあるよね』と引きずらないようにはしています。部下が失敗しても『大丈夫、私がなんとかするから楽しくしよう!』と声をかけています。私だけでなくて、そういうマインドの同僚や先輩も多いんですよ」
来るべき40代、50代。仕事も遊びもずっと楽しく続けたいと言う。
「出世したいともすごくお金持ちになりたいとも思わないんですが、とにかく楽しくやっていきたい。将来結婚しても、ずっと仕事は続けたいですね」
大好きなギャルにもずっと関わっていきたい?
「自分自身では年をとって落ち着いたという気分でしたが、ギャル時代の友だちには『変わらないね』とよく言われます。一生『ギャルだね』って言われて生きていくような気もしています(笑)。やっぱり、ギャルが好きだし、ずっとサポートする仕事をしていきたいですね。生まれ変わっても、もちろんギャルになりたいです(笑)」