若さや実績があれば充分?
「ビジネスの場では、見た目を磨くことも大事だったんです」
撮影:小川遼
30歳で結婚後、現在は4歳の子どもを育てながら、複数社の仕事を掛け持ちするキャリアウーマン。趣味は家族旅行、子どもと二人でバイオリンを演奏すること。
美容医療を始めたきっかけはニキビ治療
「10代の頃は、ずっとニキビに悩んでいて、もとから肌質が綺麗な子と自分を比べたりして落ち込んでいた」というShioriさん。当時は今ほどネットやSNSが発達しておらず、ニキビがどうすれば治るのかが分からなかった。社会人になった頃、SNSの進化のおかげで美容医療を知り、また学生時代と比べてお金の余裕もできたことから、肌治療であるフラクショナルレーザーやケミカルピーリングなどの美容医療を始めたのだとか。
「最初はスキンケアをとにかく頑張っていました。でも、やっぱりスキンケアだけではニキビ跡や毛穴の開きを治すということが難しいって、調べてわかったんです。それで、肌の凹凸をフラットにするフラクショナルレーザーや、ダーマペンを受けたり、毛穴をきれいにするハイドラフェイシャルを受けたりしてだいぶ肌の凹凸は気にならなくなりましたね。今でも定期的に受けています」
ニキビが気になって始めた美容医療だったが、今では複数の施術を経験済みだ。ほかの美容医療も検討し始めたのはShioriさんが30歳になった頃。結婚式を挙げることが決まり、「一生に一度のことだから、できることはやろう」と考え始めたのだそう。
「細かい小じわを気にならなくするために、ヒアルロン酸注入をして。鼻にもヒアルロン酸を入れ高さを出して、ボトックス注射でエラ周りもシュッとさせました。他人から見たら微々たる変化かもしれない程度ですが、結婚式の写真は人の目に触れることも多いですし、自分で見返す機会もあるので、やってよかったなと思いますね」
経験値や仕事の成果だけではない、ビジネスの場においての扱われ方の差
結婚、出産を経て、36歳のときに仕事を再開したShioriさんは、職場で「若い女性や、きれいな女性の方が得をする」という場面に幾度となく遭遇。若い男性社員はミスをすると叱られるのに対し、それが若い女性社員となると同じようなミスでも叱られない、など、明らかな差を感じたのだとか。
「私はもう“20代の若い子”ではないので、『若いから、かわいいから許される』の土俵にはいません。経験値や仕事での成果をしっかりあげれば見た目は関係ない、と考えていたのですが、どうやらそれだけではなくって」
Shioriさんより上の世代の女性の先輩や上司をよく観察してみると、そこでも外見によって“差”があることが分かった。
「私より上の世代で仕事をきっちりやっている方々でも、身綺麗にしている人より外見にあまり手をかけないタイプの方が、なんとなく雑に扱われているように感じたんです。やっぱり、年齢を重ねていたとしても、外見にお金と時間をかけてきれいにしていらっしゃる方というのは、扱われ方が違うんだなって。中間にいる私だからこそ、客観的に感じとることができました」
時間を巻き戻すことができなくても、今の自分に合わせた努力はできる
ビジネスの場において、外見の力の入れ具合によって扱いに差が生まれることを感じたShioriさんは、「同世代の中では“きれいな人”でいられるよう、さらに努力しよう」と思ったのだとか。その努力の一つとして、やはり美容医療は欠かせなかった。
「年齢は巻き戻すことができないから、若い子とそこで勝負をするのは難しい。でも、年齢に合わせた努力はできる。自分なりでもいいんです。自分にお金と時間をかけているという事実は、自信にも繋がります。自信がつくと、人の目をしっかり見られるようになったり、マインドが変わって、表情や喋り方にも変化がでたりして、社会人として評価をされやすくなるなと感じています」
毎日のケア、食事や運動、そして美容医療。日々、自分と向き合って、努力をした。現在、職場や家族から外見を褒められることが増えたとShioriさんは微笑んだ。
「会社の人たちからは、『実年齢よりも若く見える』と言われますが、それはお世辞かもしれないです(笑)。ただ、それを完全否定するよりも、『まぁエイジングケアしてるからね』という自信のもと、人の言葉を素直に受け止められるようになりました。あとは、夫から『横顔がきれいになったね』とか『肌がきれいになったね』とか、具体的に言ってくれるようになって、それも嬉しいですね。夫はあまり言葉で褒めてくることはない人ですし、私にお世辞を言う必要ってないですから、本音だと思っています(笑)」
そんなShioriさんがこれまでに経験した美容医療のなかで、一番効果を感じた施術はアゴ下の脂肪吸引。痩せても顔やアゴ下の脂肪は減らないタイプだったので、友人と写真を撮ったときに写る自分の顔の脂肪がずっと気になっていたのだという。
「インスタへ写真をアップするとき、無意識にアゴ周りの脂肪を毎回加工で削っていることに気づいたんです。もちろん、そうやって加工で修正もできますけど、動画になると難しいですし、気になっているなら思い切ってやってしまおうと思って。今は加工のない写真や動画を撮れるようになって、アップしている画像と実際の顔との差も縮まった感覚もあり、余計なストレスがなくなりましたね」
年齢に見合った、自分のなりたい姿を目指す
年齢との付き合い方は、人それぞれ。昔は「若く見られたい」という気持ちがあったというShioriさんだが、今はその気持ちを手放すことができた。
「39歳から40歳になるタイミングは、正直怖かったんです。30代前半って、頑張れば20代に見えることもありますが、30代後半、そして40代となると、もう当然そこまで若くみられることはありませんから。でも今は、ビジネスの場でも、家庭でも、自分のなりたい姿でいられているなと思います。これからも日々のケアを怠らず、自分の年齢に見合った美しさを保っていたいですね」