化粧品開発者を目指す大学生が考える、“素材を生かす”美容医療

撮影:荒 眞人
「化粧品開発」は高校生からの夢
現在、大学で研究しながら大学院進学のために励んでいるという、田村さやかさん。大学院への進学を目指しているのは、“夢”を実現するため。

「小学校4年生のときに、ローティーン向けファッション誌『ニコ☆プチ』を見てメイクに興味を持ちました。
中学生のときに高校は理系に進むか、文系に進むかを考えるタイミングで、大好きな化粧品のことが頭に浮かんで、理系に決めたんです。
高校時代には『将来、化粧品の開発をしたい』と意志を固めました」
高校在学中から、化粧品会社の研究員以外の将来の夢を考えたことはなかったのだとか。
大学のゼミ選びも一貫して、化粧品会社へ就職した先輩がいたという話から決断した。
「大手化粧品会社の研究員募集要項には、大学院修了が必須となっているところもあるので、大学院進学への道に迷いはありませんでした」
将来開発したいコスメはまだ考え中。普段から使っているコスメやスキンケアには何かこだわりがあるのだろうか?

「日々使い方には気をつけているんですが、実はスキンケア化粧品の成分にすごくこだわりがあるといったらそうでもなくて(笑)。どちらかというとポイントコスメが好きなんです。
高校生の頃は休日にメイクをしていて、まつ毛を立ち上げたら目が大きく見えることに気づいて感動しましたね。それからはまつ毛のカールキープにはこだわっています」
まつ毛へのこだわりは、普段持ち歩くポーチにも表れている。

(1)思い通りのラインが描きやすくて、湿気にも強いウォータープルーフ
セザンヌ 極細アイライナーEX 00 ブラウンブラック
(2)涙袋に少しキラキラを足すのに使っているジェルライナー
キャンメイク クリーミータッチライナー 09
(3)上唇が薄めなので、これで少しオーバー気味に口角を縁取っています
セザンヌ 影色リップメイカー 02 クールピンク
(4)涙袋にプラスするアイテム。これを塗ってから(2)を使っています
Chacott チャコット クレヨンコンシーラー ライトオークル
(5)色が濃いめなので、唇の中心につけて立体感を出すのに使います
Sefilaty クイーンバレットルージュ01 ピンクトリート
(6)本日のメイクにも使っています。唇に密着して落ちにくいんです
KATE リップモンスター 02 Pink banana
(7)ツヤとボリュームを一気に叶えてくれます
イヴ・サンローラン ルージュ ヴォリュプテ シャイン No.162
(8)リップメイクの仕上げに、ツヤをプラスするときに
fwee 3Dボリューミンググロス A01 バニラ 30%
(9)しっとり潤ってまぶたに密着します。左上のラメ入りは涙袋に使用
ILM アイシャドウパレット 〈3A〉Timeless Envy
(10)頬の高く見せたいところに丸く入れています
キャンメイク パウダーチークス / P02
(11)(10)の上から少し明るく見せたい部分に入れています
キャンメイク パウダーチークス P03
(12)もう5本目の溺愛マスカラ。写真に写ったときもしっかり束感が出せます
milktouch オールデイロングアンドカール マスカラ ブラック
(13)マスカラ下地をつけああとに、まつ毛をこれで立ち上げます
Panasonicまつげくるん EH-SE11
(14)ハイライトとして使っています
M·A·C ミネラライズ スキンフィニッシュ / ライトスカペード
(15)ディオールのコスメを買ったときに特典でもらったポーチ
「マスカラ下地を塗ってからホットカーラーで立ち上げて、カールキープ力の高いマスカラをつけて、ピンセットでつまんで束感を出しています」
加工アプリで消していたほくろを元から除去
子どもの頃から「コスメを使ってかわいくなることが好きだった」と言う田村さん。しかし本当に自分の顔と“向き合った”きっかけは、大学3年時のミスコン出場だったという。
「もともとかわいい女の子を見るのが好きで、『ミスコン』のファンだったんです。エントリーした女性が、期間内にどんどん垢抜けてかわいくなっていく過程が大好きで。
最初は見ているだけで幸せだったんですが、2年生のときに友だちに『そんなに好きなら出てみれば?』と言われて、『それもそうかな』と(笑)」
出るからには入賞したい。田村さんは1年間かけて出場準備をした。
「撮影会に被写体として参加したり、サロンモデルをやったり。写真を撮られることで自分を客観視できるようになって、メイクも結構変わったと思います。
私の顔は右目の方が若干ツリ目気味なので、少しアイラインを下に向けて引く。また、目の三角ゾーンに光を入れすぎないようにするように調整するようになりました」

そして3年生のときにミスコンに出場し、「準グランプリ」を獲得。エントリー期間中自身の顔と向き合った田村さんは、次のステップへと進む。
「エントリー期間中は、日々SNSに自分の写真をあげていたんですが、自分の顔にいくつかほくろがあるのが気になっていました。そこまで目立つものはなかったんですが、写真を加工して消していたんです。
ミスコンが終わって時間もできたので、顔のほくろを10個ほど一気にレーザーで消してもらいました」
自らも「チャームポイント」と自覚するふんわりとした明るい笑顔を、もっと思い切りアピールできるように、アルバイト代を使って歯の矯正もした。
今は自身の“丸顔”が気になっているという。
「フェイスラインをすっきりさせるよう、普段は美顔器で頑張っています。
自分の持っている素材をできるだけ生かしつつ、コスメでかわいくなることが好きなので、美容医療の手を借りるかどうかは慎重に判断します」

「失敗したり、効果がなかったりしたらどうしようという不安もあるし、何よりも自分らしさを失いたくないんです」
美容は “自分を満足させるためのもの”
ミスコンで入賞して多くの人からの評価を得たとはいえ、あくまでマイペースに、自分のために美を追求したいという。
「私より先に仲の良い友だちがほくろ除去施術をしたんですが、それを聞いて『あれ? ほくろなんてあったっけ?』と思ったんです。
正直、他の人のことは気にならないじゃないですか。でも彼女自身はほくろを取ってうれしそうだったし、とてもイキイキしていました。」

「それを見て、美容って“自分を満足させるためのもの”なんじゃないかな、と改めて思いました。
私もほくろを取ったことで人に見られるときに前向きな気分になったし、自信もつきました」
美容について、友だちの意見やTikTok、YouTubeなどからの意見は参考にはするが、決してそれだけには流されないようにしている。
「『ほくろ除去』は友だちが施術を受けたクリニックも候補にはしたんですが、他にもいろいろリサーチしてより自分に合うところが見つかったので、そちらで受けました。
自分の顔なので、自分でちゃんと調べて納得いくところで受けたかったので」
自分も人も否定せずに良いところにフォーカスする
好きなタレントやYouTuber、インスタグラマーは、圧倒的に女性が多いのだとか。
「好きなアイドルは、日向坂46の小坂菜緒さん。一時体調を崩されて休業されていたのですが、努力しながら輝きをキープされているのが素敵ですね。
また、イメージコンサルタント、インフルエンサーの北野百笑さんは女性としてとても尊敬しています。
お会いしたときも、人の話を聞くときは否定せずに相手のいいところにフォーカスしてお話しされる、その姿勢がすごく上品で。
同じ大学の先輩でもあるので、私も百笑さんのように活躍できる女性になりたいですね」

相手を否定せず、良いところに目を向けようとする姿勢は、田村さんの美容スタイルに通ずるところがあるのかもしれない。
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