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漫画や小説の中に“自分の見た目の正解”を探して 【第二回】10代で美容医療に目覚めた著者の実体験『14歳で整形した私』

2024.11.04 Text:Lisa Shiraishi
外見にコンプレックスがあると、美容医療を受けたら理想の顔になれると夢見ることがあります。自分に自信を持つために顔を変えたいという気持ちと、美容医療にハマってしまういわゆる「整形沼」から抜け出せなくなってしまったら怖い……という気持ちの間で揺れ動いて迷っている人も多いはず。

「ルッキズム」や「美容医療」をテーマにした漫画や小説を紹介する本連載の第二回目は、整形沼に陥った女性のリアルを赤裸々に描いたコミックエッセイ『14歳で整形した私 「ブス」の呪いから解けて自分を好きになる日まで』(KADOKAWA)を紹介します。

父や彼氏に外見を否定され、美容医療の沼にハマっていく

作者のうみの韻花さんが初めて美容医療を受けたのは14歳のとき。美容外科医をしていた父親に「目を二重にすれば、大人になったらすごい美人になる」と言われて、二重施術されたのがきっかけでした。

父に言われるがまま二重にしてみて「こっちのほうがかわいい」と思ったうみのさん。しかし、目を二重にすれば美人になれると思っていたのに、アラサーの年代にさしかかると顔のほかのパーツも気になり始めてきます。

さらに、付き合っていた彼氏がモラハラ気質でしょっちゅう外見をバカにしてくるため、彼氏に認められたい一心で美容医療にとりつかれていきます。しかし、美容医療反対派の彼氏はうみのさんが繰り返し施術を受けても絶対に「かわいくなった」と言ってくれない。むしろ、うみのさんの顔を変だと否定してくるのです。

自分では美容医療をして美人になれたつもりでも、彼氏の心無い言葉に傷ついて自己肯定感がボロボロになり、もっときれいにならなきゃ!と追い詰められていきます。

うみのさんが整形沼に陥ったのは、身近な人から外見を否定されてきた影響が大きかったようです。自分の存在を認めて欲しいという承認欲求が美容医療へと駆り立て、沼から抜け出せずにいました。

そんなうみのさんに、転機が訪れます。どうやってコンプレックスを解消し、整形沼から這い上がることができたのか、結末はぜひコミックを読んでみてください。

“他人の正解”ではなく、“自分の正解”を見つけていく!

見た目にコンプレックスがある人が、美容医療をしたことで自信を取り戻し、人生の幸福度がぐんと上がるケースは少なくありません。その一方で、何度美容医療を繰り返しても満足できない人もいます。その場合、自分だけでなく周囲の環境にも問題があるかもしれません。

悪気なく放たれた言葉であっても、人から外見を否定されると大きく傷つきます。しかし、“他人が決めた見た目の正解”に近づこうと思っても、本当にそれが自分にとって良いものなのかがわからなくなってくる。だから、他人の基準にとらわれず、どんなふうになりたいのか、自分の心の声に耳を傾けてみることが大切なのかも。

人のためではなく、自分のためにキレイになりたい!

心からそう思えることができたなら、終わりのない整形沼に陥るリスクを回避できそう。世の中に買い物をする人はたくさんいても、買い物依存症に陥る人はごく一部です。美容医療も同じように、施術を受けた人が全員依存するわけではないのです。

うみの韻花さんのコミックを読むと、美容医療のダウンタイムや失敗例なども赤裸々に描かれているので、とても参考になります。

これから美容医療をしようかどうか迷っている人に、ぜひ読んでほしい一冊です。

<書籍情報>
『14歳で整形した私 「ブス」の呪いから解けて自分を好きになる日まで』
価格:990円(Kindle版)
出版社‏: KADOKAWA

著者:うみの韻花
約700万円をかけて美容医療を受けた体験を描いたコミックエッセイが話題に!SNSで美容医療やルッキズムに関する漫画を更新中。
X(@umino_otoka)
Instagram(@umino_otoka)

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