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まだ見ぬ“当たり前”を取り入れたい

文:近藤希星
カメラマン:小川遼
1998年生まれ。大阪府出身。中学高校とテニス部に所属し、大学では体育会機関紙の記者として活動していた。卒業後は就職のために上京し、2023年の2月に営業職へ転職。趣味はお笑いと運動すること。最近はゴルフを練習中。
"自分のことを諦める”って、さびしい状態じゃないですか
もともとスポーツが好きだと話すTakaneさん 。最近ではボルダリングやキックボクシングの体験に行ってみたり、ゴルフ練習のためにうちっぱなしを楽しむなど、アクティブな休日を過ごしているという。

「中高はテニスをやっていました。大学ではプレイヤー側ではなかったんですけど、演劇サークルの裏方とか、体育会系の部活を発信する側としてスポーツにも関わっていました」
仕事柄ファッションにも関心が高く、笑顔でハキハキと語る彼女だが、昔はおしゃれすること自体に諦めを感じていたという。
「学生時代は、どう努力しても綺麗になれませんでした 。毎日部活の練習で外に行くからガングロやし、脚は太いし、どっかで諦めてたんです。ただ、大学生は綺麗になれるタイミングではありました。テニスをやめて、化粧もするようになって。でも適当でしたね。今思えば、環境の違いに心がついていかなくて、自分のなかで違和感をも ってたのかもしれません。しかも、いきなり見た目を変えたら『どうしたんー?(笑)』とか言われますし(笑)。今思うと、勝手に諦めてしまっていた自分は、さびしい状態でしたね」
急に服装を変えてイメチェンすると周囲にいじられる、なんてことは確かにありがち。そういった意味でも、就職は良いタイミングだった。

「東京に来たことは大きな変化でしたね。勝手な思いこみですが、東京にいる人は見た目に気を遣っているイメージがあって。せっかく来たんやから私も綺麗にして垢抜けたろうって思ったんです」
ファッションやメイク、ネイル、ヘアスタイルなど、垢抜けるためにお金の使い道はいくらでもある。そんななかで脱毛を選択したのは、学生時代に試しに受けたワキ脱毛がきっかけだった。
「大学4回生のときにコロナ禍で時間ができたので、ワキだけやったんですよ。効果あったし、ほかもやろうと思って。あとは、コーデの幅を広げたい、という思いもありました。コンプレックスじゃないけど、着れる服も選べないくらいもともと毛が濃くて。特に、夏服は露出の範囲が広いと思うんですけど、もっといろんな服着れたらいいなって思ってたんです」

私の知らない、みんなの"当たり前”を取り入れたい
社会人になって、ようやく美容に使えるお金もある程度貯まってきたものの、東京での一人暮らしとなるとどうしても予算は限られてくる。Takaneさんは当初、評判と安さを見て、エステ脱毛のカウンセリングに足を運んだ。

「最初は安さでエステ脱毛を検討してたんですよ。でも、そのときに医療の説明も受けて。エステ脱毛だと、肌が白くなったり綺麗になる効果もあるけど時間はかかる、医療脱毛は短期間で毛をなくすのに特化している、と聞きました。時間がかかっても、美肌も一緒に叶えたい子はエステ脱毛でもいいと思うんですけど、私の場合、まずは脱毛だけにフォーカスしたかったので医療脱毛にしました」
気になる部位だけ脱毛することもできたが、じっくり考えて全身脱毛を選んだ。
「調べてみると、単品でいろんなとこやったら全身とあんま変わらんかなって。あと、まわりの友人も全身脱毛やっとったので当たり前なんかな? というのもあって。単品でするのが面倒やし、全身することにしました」
9回コースを選択し、施術回数はまだ折り返し地点。しかし、地元に帰った際、まわりは変化に気づいていた。

「大阪の友達や家族に、良い意味で『変わったな』って言われました。毛を見ているわけじゃないけど、『大人っぽくなったな』『昔より全然変わってると思うで』って気づいてくれましたね」
まわりも気づき始めたTakaneさんの変化は、新しい環境によってさらにアップデートされていきそうだ。
「新しい会社では、美容院とかサロンに対する営業を行っています。自社の予約サイトがあって、『掲載してみませんか?』って。おそらく、業界的にも美意識の高い方々と接していくと思うので、まわりの方が『当たり前』にしている美容法をどんどん吸収していきたいですね。お客さんもこちらの身なりや美意識は気にするでしょうから。適当な見た目の人に営業されたり、サポートされても嫌やと思うんです。だから今後はやりたい美容医療が増えてくるかもしれませんね」

将来は模索中だけど「図太くなった、強くなったやん」て思われたい
今は、上司に付いて現場を学び始めたところ。営業スキルも見た目を綺麗にする方法も吸収していきたい、と語るTakaneさんは、これからも美意識が高まっていきそうだ。
「今興味があるのは、美白、髪質改善、あと脚を細くすることですね。素材を生かしながら、垢抜けていきたいと思っています。眉毛を整えたり、パーソナルカラーも気になりますね」
仕事も美容面でもやりたいことはたくさんあるが、一歩ずつ成長していきたい。
「私の場合、仕事に対するモチベーションが高い人たちと仕事がしたくて、今の会社を選びました。会社をいくつか受けているなかで、ここの社員は熱量が高くて一緒に働きたい! と感じたんです。」
自分で決めたキャリアを進むときは誰でも期待と不安が入り混じるもの。そんなときは趣味が良い息抜きになる。

「お笑いは、私がしんどいなーと思ったときに助けてもらっていて。ダウンタウンとか、霜降り明星が好きです。発想が天才的で。ワンコインモノマネっていうのをセイヤさんがやるんですけど、日常のそこを切り取るんや!っていう場所を切り取るんです。セイヤさんは記憶力が良いですし、粗品さんも音楽の才能があったり、ラジオのトークも地元が近いんで、めっちゃわかる!って共感できるポイントが多くて(笑)」
社会人歴でいえば、学生気分が抜け始める20代半ば。さまざまなことを見聞きすることで生き方の選択肢が増えるぶん、かえって将来に悩んでしまう人も少なくないだろう。それは、Takaneさん自身も例外ではない。「まずは数年間、できる限り精一杯働きたい」と抱負を話してくれた。
「しょうもない目標ですけど、両親からは『営業できんの?』って言われるくらい天然で不器用だと思われているんです。だから、この子も図太くなったな、強くなったやん、って思ってもらえるような女性になりたいですね」
