「幸薄そうな占い師」では説得力がない
見た目への気遣いは美容部員さながら

2023.05.24
宮崎真由子
取材・文:相羽 ゆづる
撮影:苅田 恒紀
宮崎真由子 経験施術は、下眼瞼脱脂、眉間・額・口角・顎・エラのボトックス、ハイフ。
1986年生まれ。九州出身。2019年から西洋占星術師としての活動を開始。ホロスコープ、タロットカード、霊視を使った占いを行う。また、自作するパワーストーンブレスレットの販売や、星の読み方を教える「ホロスコープ講座」も人気。好きなものは動物と読書。
東京・人形町で、占い師として活動する宮崎さん。活動を始めてからおよそ1,300人を占ってきたという彼女は、仕事や恋愛、金運など、さまざまな相談に答えるせわしない日々を送る。そんな宮崎さんに、仕事や美容に対する考え方について、話を聞いた。
ONEドキュメンタリー取材宮崎さんの作成したブレスレットと鑑定書

納得がいかなかった占いで
目覚めた探求心

西洋占星術は紀元前のバビロニア王国で始まり、現在まで発展してきた占い術だ。天体の配置や動きを用いて、人間の運命や性格、人生の傾向などを予測する。

宮崎さんは、32歳のときに西洋占星術師としてデビューした。術師に興味を持ったきっかけは、自分が占い師にされた経験にあるらしい。

ONEドキュメンタリー取材宮崎さん。鑑定中

「派遣社員をしていたあるとき、これからの仕事のことを相談しようと西洋占星術の先生に見てもらいに行ったんです。そしたら、全然よくわからないことを言われました。私は体力がある方じゃないのに『体力仕事がいいですよ』とか……。恋愛の相談でも、『こういう相手がいいです』と言われたのが、絶対に苦手なタイプで(笑)。だから、なんでそんなことを言われるのかが気になって、調べてみようと思いました」

要するに占いの結果に納得がいかなかったことが、宮崎さんの探求心に火をつけた。その占い師が間違っていたのか、西洋占星術そのものがおかしいのか。仕事も忘れて研究にのめりこみ、気づけば独自の占星術理論を築くようになったのだという。研究の結果、その占い師は初心者だったことにも気づいたそうだ。

貴方のゴールはどこ?
一人ひとりに合わせたオーダーメイドの占い

そうした経緯で占い師になった宮崎さんが、占う上で大切にしていることは何か。それはまず相手の求めるゴールを聞き、一人ひとりに合わせた言葉を贈ることだという。

ONEドキュメンタリー取材宮崎さん

「私自身が占いで嫌な経験をしていますから、なるべく決めつけないように気をつけています。いきなり『あなたはこうするべきだ!』と言っても、その方のやりたいことは他にあったりしますから。それよりも、その方自身がどうしたいかが大事だと思うので、まずは『ゴールはどこか』を聞いて、なるべく細かい可能性の選択肢を提示してあげることを心掛けています」

ときには、ゴールを一緒に探すことから始めることもあるそうだ。たとえば「結婚したい」という女性の相談では、本当に結婚をゴールにしたら、その後の人生が宙ぶらりんになってしまう。子どもが欲しいのか、家庭が欲しいのか。ひいてはどんな人生を送りたいのか。相談者が本当に求めているものを紐解き、その人の希望している未来に応じて、星の動きにもとづいたアドバイスを送る。だから宮崎さんの占いは、生年月日が同じでも人によって異なる完全なオーダーメイドだ。

「星の影響もいろいろあって、この影響が出やすい人なんだなとか、こっちは出ないんだなという風に人によって変わります。例えば金星の影響は、恋愛に出る人もいれば、お金や他の芸術的なことに出る人もいる。なのでその方の過去のお話から、どの部分に影響が一番出やすいかを推測したりもします。そういう点でも、決めつけないことが大事なんですね」

ONEドキュメンタリー取材宮崎さん。ツバキ

何度も同じことで迷わないようにしてあげたい

宮崎さんは占いで、丁寧に鑑定することも大切にしている。西洋占星術の中にもさまざまな星の見方があるが、他の術師がほとんどやらないアプローチを積極的に取り入れているらしい。顧客と会う前は必要な情報を聞いて、入念な下準備を行ってから実際の診断に臨むそうだ。

「私は、事前準備に時間をかけています。他の西洋占星術師でもここまでやっている人はいないくらい、出さなくてもいいデータも出して分析する。もちろん手間はかかるんですけど、限られた時間の中で伝えるべき情報を全部言えるようにしたくてやっています」

ONEドキュメンタリー取材宮崎さん

「私は、占いはなるべく1回で終わらせてあげた方がいいと思ってるんですね。何回も来るのは依存になってしまいますし、時間の無駄。だから、会ったら情報を全て伝えて、帰った後は鑑定書を送る。そうすることで、何度も同じことで迷わないようにしてあげたいと思っています」

美容医療は時短術。
ハイフ一発で3カ月間毎日のケアが楽に

そんな宮崎さんが美容医療に初めて通ったのは、2021年の10月。かねてから気にしていた下眼瞼脱脂(目の下の脂肪取り)を行ってみたそうだ。その後は、定期的にボトックスとハイフに通っているという。美容医療を始めた理由を聞くと、「幸薄そうな見た目では説得力がないから」と笑いながら答えてくれた。

ONEドキュメンタリー取材宮崎さん

「私は顔が薄いので、幸薄そうに見えるんですよね。こういう人に占われたいかな? といろいろ考えちゃって……。アドバイスをしても、『いや、お前に言われたくないわ』って思われても困りますからね(笑)。特別美人でなくてもいいんですけど、不幸そうじゃないようにしたかったんです。美容部員さんの肌がカサカサだったら説得力がないのと同じで、占い師も見た目は大事だと思います」

占いの説得力を増すために行う美容医療。憧れている顔や美の目標はなく、自分の中で、「少しでもマシになれば」と思っているそうだ。

また、美容医療は忙しい彼女の時短術でもあるらしい。

ONEドキュメンタリー取材宮崎さん、ピアスやブレスレット

「素人が、毎晩お風呂上りに自分でマッサージをするよりも、ハイフで一発ピピっとやってもらった方が早いですよね。ハイフは痛いんですけど、30分もかかりませんから。施術中は『痛い、痛い』と思いながらも、『これで3カ月分の毎日のケア時間が短縮できる!』と思っています」

時間を大切にする宮崎さんにとって、美容医療は欠かせないものになっているようだ。最後に占いに来た人が美容医療で悩んでいるとしたら、どう声をかけるか聞いてみた。星にもとづいたアドバイスもあるのかと思ったが、あっさり、こう答えてくれた。

「とりあえずもう『行ったらいいよ』って言います。占いとか関係ないです(笑)。昔は美容医療は高額なイメージがありましたよね。でも今は1万とか2万でできるものも多いので、私も『こりゃいいや』と気軽に行っています(笑)。膨大な金額がかかるわけでもないし、合わないなと思ったらやめればいいので、『経験として行ってみたら!』って感じですね」

ONEドキュメンタリー取材宮崎さんラスト画像
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