髪がプリンでも気にしなかった20代
自分改革のきっかけは「モニター制度」

2023.07.17
千葉真奈美
取材・文:平川 恵
撮影:森山 越
千葉真奈美 施術経験は、目の下の膨らみ取り、ほくろ取り、ボツリヌストキシン注射、ヒアルロン酸注射、プラセンタ注射、フラクショナルレーザーなど。
普段は大型ショッピングセンター内に入るアパレルブースで、ショップ店員をしている。現在の趣味は美容。休日になると無料体験や格安にできるモニター枠を活用し、自分を磨いている。千葉県在住。42歳。
美容師が無料でカットモデルを募集するように、美容医療も顔出しでクチコミを紹介するかわりに格安で施術体験ができるモニター制度を設けている。通常より安い価格で施術を受けられ、自分の悩みを解決できるという、まさに一石二鳥のモニター制度を利用している千葉さんに上手な活用術を伺った。

大失恋が「きれいになりたい!」の原動力だった

ゆるふわなブラウスに、ミニスカートというフェミンなコーディネイトで現れた千葉さん。話し方や仕草に、どことなく少女を思わせるはかなげな雰囲気を漂わせている。なので実年齢を聞いたときは、正直驚いた。

千葉さんは、普段は大型ショッピングセンター内にあるアパレルで店員として働いている。勤務期間は14年。仕事柄、もともと美容やファッションに興味があったのか、と尋ねると意外な回答が返ってきた。

ONEドキュメンタリー取材千葉さん

「私が高校生のときはコギャル全盛期。女子高校生ブームで、ヤマンバメイクやルーズソックスも大流行していました。周りはオーバーシルエットの長いルーズソックスとか履いていましたけど、私はそんな感じではなかったです。地味な方だったと思います。大人になった20代でも、率先しておしゃれをするタイプではなく、洋服は数着を着まわしているくらい。それこそ髪色が“プリン”になっても気にしないほどでした」

明るく染めた(あるいは脱色)した髪の根元が黒く伸びてくると、あたかもプリンのように見えることから、髪のメンテナンスを怠っていると起こる現象を「プリン」と形容するが、これはそれだけ千葉さんが美容に無頓着だったことを意味している。

しかし、現在はネイルもメイクもきちんと施されており、加えて一般的にハードルが高いといわれている美容医療をさまざまに取り入れている。自分の興味を美容へシフトした原動力は、30歳の頃に経験した失恋だ。

ONEドキュメンタリー取材千葉さん

「ちょうど30歳の頃に大失恋をしたんです。3年半くらい付き合っていて、その相手の人とは結婚まで考えていました。一緒に住む部屋を探していたくらいです。でも、いろいろあって彼とは結婚直前に別れてしまいました。気持ちが落ち込み、そのときは、とにかく何かをしないと自分が保てませんでした。それで、とにかく変わろう! きれいになりたい! という気持ちになったのが、美容に目覚めたきっかけです」

マスク生活も味方につけて自分改革。美容に凝り始める

「きれいになりたい」と思った千葉さんが始めたのが、自分改革だ。レーシック、エステ脱毛など、それまで気になっていた医療や美容に取り組むようになる。自身の悩みをひとつずつ解決するうちに、美容医療に対するハードルも自然と低くなっていった。

「次は何やろうかな……と考えて思いついたのが、顔のほくろ取りでした。ほくろを取って人生が変わった人が周りにいたので、私も、顔にいくつかあった小さなほくろを取ろうと思ったんです。美容クリニックでほくろ取り放題のコースを契約し、金額は2万5000円くらいでした」

ONEドキュメンタリー取材千葉さん

小さなほくろはレーザーで。それでも残ったほくろは、くりぬき法で除去。くりぬき法で凸凹してしまった肌をなめらかにならすため、フラクショナルレーザーを取り入れた。この施術は今後も定期的に継続していきたいと考えている。そして、美容医療として次に取り組んだのが、ボツリヌストキシン注射だ。

「30歳を過ぎてから眉間の縦ジワにファンデーションが入り込んでしまうことに気づいて、ボツリヌストキシン注射をしました。また、年齢とともにほうれい線が気になるようになってきたのでヒアルロン酸注射も。そして、アンチエイジングとしてプラセンタ注射をしました」

さらに40歳を手前に30歳過ぎからずっと気になっていた、目の下の膨らみを取る手術を受けた。ダウンタイムの間、あざが残ってしまう施術だが、コロナ禍でマスク生活だったこともあり、思い切って踏み切ることにした。

ONEドキュメンタリー取材千葉さん

「目の下の膨らみ取りは、これまでに一番大きな施術だったので、受ける前は症例や口コミを見てリスクもチェックしましたね」

エステは「練習台」で、美容医療は「モニター制度」できれいをゲット

千葉さんは、こうした施術を受けるときに、積極的にモニター制度を利用している。美容医療におけるモニター制度とは、施術前後の顔を公開したり、コメントを出したりすることを条件に、正規の金額よりお得に施術を体験できるものだ。多くの美容外科クリニックではHPで常にモニターを募集している。

モニターというと、美容室のカットモデル、ネイルサロンやまつエクサロンなどの練習台を思い浮かべるかもしれない。こうしたカットモデルや練習台は、無料でサービスを提供している場合がほとんど。現在は、アプリを活用すれば幅広い情報にアクセスできるので、無料でサービスを受けられるところは見つけやすいようだ。しかし、こうしたモニターサービスは、無料で提供される反面、自身は「練習台」となるため、どんなに気に入らない仕上がりになったとしてもクレームをつけることはできない。それが利用条件になっている。

ONEドキュメンタリー取材千葉さん

一方、医療行為にあたる美容医療では無料の施術ではなく、顔出しが条件になるモニター価格のみとなる場合がほとんどだ。これは、練習台という立場ではなく、安全に配慮した正規の施術をお得に受けられる、といったイメージ。もちろん不測の事態にはドクターが対応してくれる。

「モニターでも、事前にリスク説明があって、術後はこういう反応が起こることがありますが大丈夫ですか?と聞かれますね」

そういった点では美容医療のモニター制度は安心感が違う。施術前後の顔を出すことに対して抵抗がない千葉さんにとって、価格をできるだけ抑えられるモニター制度は、高額なイメージがある美容医療に手が届くありがたい制度なのだ。

ONEドキュメンタリー取材千葉さん

「私はそれほどお金をもっているわけではないので、上限を決めて施術を受けています。予算は月あたり1~2万円くらいでしょうか。それくらいならなんとか自分のお給料から出せる金額です。

今は、将来の金銭的な不安もあるので、2~3カ月に1回ぐらい3万円ぐらいのスペシャルな施術を受ける感じですかね。たまにモニターで来院するとオプションの施術をすすめられることもあるんですが、自分は“これのみ”って決めて行くようにしています。興味がなかったらすすめられてもやらないって決めて美容クリニックに通うのも、予算をオーバーさせないコツです」

婚活で後悔しないためにも、リターンの高い美容に投資する

20代の若い頃とは異なり、遊びにお金を使うくらいなら自分に投資したいという気持ちが年齢的にも芽生えてきたという。

ONEドキュメンタリー取材千葉さん

「美容って自分に投資するので、やったことが自分に返ってくる良さはあります。あとお休みの日に予定がないと、せっかくの休日も何もしないまま終わってしまうので、それはさみしいし、もったいないな、と思ってしまって。美容医療だけじゃなく、美容院やネイルサロンやまつげサロンなどに行く予定を入れています。美容に時間をかけることで、良い方向に自分が変われたらいいなと思っています」

実は千葉さんは、20代に離婚を経験している。離婚後、30代でした恋愛が失恋に終わり、大きな痛手を負ったが、それでも諦めずに現在も婚活を続けているのだ。離婚や失恋を経験すると「もう2度と恋愛なんて……」と思う人もいるが、千葉さんはあきらめていない。それにはこんな理由がある。

ONEドキュメンタリー取材千葉さん

「私、一人っ子なんです。親が亡くなってしまったら、いずれ1人になってしまう。パートナーがいないとずっと1人。このままだと、将来1人だって気持ちがつきまといます」

今婚活を頑張るのは、この先、自分の人生に後悔しないため。

「婚活の結果、もし1人きりになったとしても、今頑張るのと、あきらめるのでは、自分が死ぬときの気持ちがきっと違うと思うんです。だから婚活だけは、結婚できる/できないに関わらず、続けていこうと思っています」

婚活市場において見た目は重要なため、千葉さんは美容に力を入れるのだ。

ONEドキュメンタリー取材千葉さん

「結婚に妥協はしたことないし、誰でもいいわけじゃないから、いつ相手にめぐり合ってもいいように、自分を磨いていたいです」

特に、一番大きな施術だった目の下の膨らみを取ってからは、見た目は大きく変化した。

「実際メイクが楽になりました。写真を撮ったときや、鏡を見たときにたるみが気にならなくなったのは良かったな、と思っています」

「今も変わらなきゃって、思い続けてる感じです」と言う千葉さん。
今後も、20代の頃よりも手が届きやすくなった美容医療を味方につけていく。

「実年齢よりは若く見られたらいいな、と思ってます。憧れは、タレントの森口博子さん。一度、お見掛けしたことがあるんです。すごくきれい……と感動してしまって。私が50歳ぐらいになったとき、森口博子さんみたいになれたら素敵だな、と思っています」

ONEドキュメンタリー取材千葉さん
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