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【美容医療トーク】生まれ育った国や環境によって「美意識」や「美容医療の価値」はどう変わる?(前編)

2024.03.19 取材・文:岡本のぞみ(verb) 写真:森山 越 映像:にしかわりょう(織)、野上夏菜
「美容医療」について、様々な角度から忖度なく話し合うことで、今の美容医療の姿を浮き彫りにしていくドキュメンタリートーク。今回は、日本、中国、スウェーデン、アメリカにルーツを持つ4人が集まって、生まれ育った国の違いで「美意識」や「美容医療の価値」はどう変わるかをテーマに対談。前編では、アラサー世代のそれぞれ異なる美への思いを語ってくれました。
プロフ
鼎談企画
トーク会場:「ANTIQUE STUDIO UNIKK田町スタジオ」

欧米ではナイスバディしか勝たん?! 世界で変わる美男美女の基準

――あなたの生まれ育った国における美しさの定義は?

ミドリ:日本は若いということが正義の国です。男女問わず、海外から見たら「若すぎない?」というくらいがいい。女性はかわいく、男性も中性的な人の方が人気があるイメージです。

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ジェイミー:アメリカは男性だったら背が高くてモデルのような人。女性ならアワーグラス(砂時計)のような体型の人ですね。

すずか:スウェーデンもアメリカと似ていて、顔だけじゃなく、体型が大事。女性は美しいお尻の形やくびれがあるアワーグラスが美しいとされています。男性もどれだけ男らしさが表現できているかが大切で、ジムに通われている方は多いですね。

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梅花:中国は海外の影響を受けやすいです。男性なら韓流ドラマのイケメンのように背が高くてお仕事ができて肌が白い人、女性は日本の影響で小さくてかわいい系が流行りです。

ミドリ:どの時代にも愛される中国美人像はないんですか?

梅花:中国は国土が広いので、好みがバラバラなんです。ただ、ファン・ビンビンのような甘辛ミックスで個性のある顔立ちは人気があります。あとは時代によって変わるのも特徴で、私が中学生の頃は、映画『ワイルドスピード』が流行っていて、一時的におっぱいにシリコンバッグなどを入れている 人もいました(笑)。

ジェイミー:アメリカはアジアと違って、日焼けしている人がモテますね。ビーチに行って高級な生活をしているという雰囲気があるので。

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すずか:スウェーデンも同じで日焼けしている人ほどよくバケーションに行って、「人生を楽しんでいる=お金を持っている」というイメージがありますね。

美しさの基準はルーツにあり! その背景にある考え方とは?

――それぞれの国での美の基準には、どんな背景があると思いますか?

ミドリ:日本はとにかく男社会。女の子はかわいくて手の内におさまるのがいいという文化からきていると思います。中性的な男性が人気なのは、最近のジェンダーレス化の流れですかね。

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すずか:スウェーデンは逆で、男性から女性へのリスペクトがすごい。というのも北欧の先祖はバイキング。当時から上に立つ女性もいたので男女平等。強い女性はリスペクトされますし、仕事をしていないと男性からも見下されます。

梅花:中国でもかっこいい女性は憧れの対象です。ファン・ビンビンは以前、とてもきれいなのに結婚していないことに対して、「金持ちの男を掴むため?」と意地悪な質問をされました。それに対して「私が金持ちなので金持ちの男は必要ありません」と答えているのを見て、「私もこんなふうになりたい」と思いました。そういった、芯のある発言や姿勢も人気の理由だと思います。

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ジェイミー:話を聞いていてアメリカは、日本とスウェーデンの間だと思いました。アメリカも50年前まで男性は男性らしさをアピールして、女性は女性らしさをアピールして異性の気持ちをつかもうとしていました。男女の不平等はましになっていますが、まだその文化は残っています。アメリカには平等なイメージがあると思いますが、実際はちょうど日本とスウェーデンの間くらいです。

ここがビックリ! 日本人の美のこだわりは細かすぎる?

――海外出身の3人は、日本の美しさの基準に対してどう思いますか?

すずか:帰国して驚いたのは、化粧水に乳液に……とスキンケアにいろんなステップがあること。肌にかける時間が違う。スウェーデンではオールインワンクリーム1本で終了です(笑)。

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梅花:私は高校から来日したのですが、友達のポーチの中に同じような色のアイシャドーやリップが何種類もあるのは「え?」となりました。

すずか:スウェーデンではすっぴんで通勤する女性がほとんどで、がんばってもコンシーラーをピッとつけるくらい。ファンデーションからアイメイクまでがっちり化粧をする女性は多くないです。

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ジェイミー:アメリカの女性も普段はすっぴん。逆にスーパーでめっちゃメイクしてると「どこに来てるの?」と思っちゃいます。

すずか:服装のギャップもありますね。スウェーデンの友達が日本に遊びに来たときに、「私たちはジャージなのに、日本人はスーパーに行くときでさえこんなにかわいい格好をしてるの」と、女性としてのプレッシャーを感じたみたいです。

ジェイミ―:男性にとっても日本ならではのプレッシャーがあります。アメリカでは女性も男性も3分の1くらいは肥満。日本にいると痩せなきゃというプレッシャーがあって、僕もアメリカにいるときより15キロくらい痩せました。

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ミドリ:たしかに日本人はおしゃれしてフルメイクがエチケットという感覚があります。日本で外国人の夫や彼氏をもつカップルを見かけますが、どんなところが外国人に魅力的なんですか?

ジェイミー:顔立ちのやわらかさや長い間若く見えるところだと思います。アメリカでは白人女性は見た目が早く老けるイメージがあります。

ミドリ:それはありますね。私はどちらかというと老け顔ですが、海外の人には実年齢より若くみられます。

すずか:たしかに、スウェーデンで日本人の母と歩いていたときに、姉妹だと思われたことがありました。「本当にお母さんなの!?」とびっくりしていましたね。

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【まとめ】
若さや顔に対して美意識が表れる日本とは違い、欧米ではスタイルの良さを重視!
各国の違いは美容医療に対して、どんな差を生むのか? 後半へ続く!

取材協力

ミドリ
ミドリ
30歳、日本育ち。美大を卒業後、カメラマンやギャラリー勤務を経て、DJやモデル、陶芸講師として活動。経験施術は二重埋没、肩ボトックス、バッカルファット、プリマリフト、顔の脂肪吸引、顔の脂肪溶解注射、ヒアルロン酸注射、目の下の脱脂。
南 梅花(なん・ばいか)
南 梅花(なん・ばいか)
26歳、中国出身。18歳で来日して以来、日本在住。大学院でMBAの取得を目指して勉強中。経験施術は二重埋没、シミ取り。
市川すずか
市川すずか
32歳、スウェーデン人の父と日本人の母の間に日本で生まれる。12歳から24歳までスウェーデンで育ち、現在は日本在住。ノルウェー国立音楽大学を卒業し、ピアニストとして活動。経験施術は眉のマイクロブレーディング、ハイフ。
ジェイミー
ジェイミー
32歳、アメリカ出身。大学留学を機に来日。インターナショナルスクールの人事スタッフとして働きながら、歌い手としても活動。経験施術はヒゲの医療脱毛。
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