Documentary

探偵のダークなイメージを払拭して、世の中の“理不尽”を“ラッキー”に変えたい

2023.01.20
戸塚敦士
取材・文:桑原恵美子
撮影: 荒 眞人
戸塚敦士 経験施術は、ヒゲ脱毛。50歳、職業は探偵(株式会社オブザーバー代表取締役社長)、社団法人探偵協会代表理事。
「探偵」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、ちょっと危険な香りがする、近寄りがたいダークな人物像ではないだろうか。だが取材現場に現れたのは、スタイリッシュなスーツと茶髪がよく似合う、ニコニコ陽気なダンディ。サービス精神旺盛で取材を楽しく盛り上げてくれたが、その奥には、探偵業に対する熱い信念と使命感があった。

探偵になって1週間で、「自分はこの仕事に向いている」と確信した

「探偵という仕事に出合ったのは、28歳のときで、たまたま目にしたインターネットの募集広告がきっかけです。探偵事務所に入社して1週間で、『これは僕に向いた仕事だな』と確信しました」

戸塚敦士

戸塚さんの父親はテレビ局のカメラマンだったが、いろいろな事情があり、小さい頃は施設に入っていた。そのときに、特殊な家庭環境で理不尽な扱いを受けて育ってきた多くの子どもと接した。「ちょっとした言葉の端々から、彼らの家庭の事情がはっきり理解できた」というから、今思えば子どもの頃から探偵の素質があったのだろう。そんな環境で育ったことから、次第に、「世の中の理不尽を解消するような仕事に就きたい」と強く思うようになったという。

「小さい頃は、体力が有り余ってしまい、ちょっとの間もじっと座っていられないようなタイプでした。今で言うADHDのような傾向があったかもしれません。そういう特性から自分に合った職業をずっと模索して、20代でいろいろな仕事を経験し、思えばずいぶん回り道をしました」

探偵の仕事で一番やりがいを感じるのは、理不尽な目に遭って困っている人を、自分で調べて助けてあげられたとき。そして謎が解けたときの達成感だという。

スーツのダンディな男性のモノクロイメージカット

「そりゃ、張り込みのときは車の中におっさん同士で24時間ずっと一緒にいたりするわけですから、つらいこともたくさんありますよ(笑)。でも、待って待って待って、何か動きがあって、知りたいと思っていたことが少しずつ分かってきて、謎が解けていく。そして最後に、お客様から感謝される。そのプロセスがすごく楽しいですね。そしてもうひとつ、僕が就職した探偵事務所はかなり大手で料金設定も非常に高かったので、相談に来られるのはいわゆる上流の方々。私は大検こそとりましたが、学歴としては中卒でしたので、そういった方々に頼られるというシチュエーションもツボでした」

「理不尽な目には遭ったけど、結果的にはむしろラッキーだった」と思えるようにしたい

独立して自分の探偵事務所を持ったあと、「一般社団法人探偵協会」を立ち上げたのは、探偵業への不満を解消し、イメージアップしたいという想いからだった。

「探偵業を始めるには、公安委員会(警察署経由)に届け出を出す必要がありますが、免許などは特にありません。先進国の中で、探偵業が免許制でないのは日本だけです。免許制であれば代理人としての請負契約ができるので、想定される活動経費だけを先に請求できます。しかしそうではないので、現実には主だった会社は最初に活動経費と調査料金の全額をいきなり全部まとめていただく形になってしまっている。結果、損害賠償金を得られる以前の時点で高額な依頼料が必要になるため、本当に理不尽な目に遭って困っている人が、探偵に頼りにくい状況が生まれているんです」

スーツを着たダンディな男性が腕組みをして遠くを眺めている

戸塚さんが主宰する「一般社団法人探偵協会」では公益活動として、「理不尽に遭い困窮する消費者へ審査の上、調査料金及び、弁護士費用の一方ないし両方を無償貸与又は供与する」「犯罪等による被害者の支援調査を会員又は加盟員各社に代理依頼する」ことを謳っている。

「代表理事は僕ですが、ほかの理事には弁護士、司法書士、行政書士、税理士など、僕以外は全員法律家。自分の中では全員一流の人間を集めてきたつもりです。なぜそこまでやるかというと、全ての理不尽は、民事上で金銭的に解決されるべきという信念があるから」

そのため「一般社団法人探偵協会」では、弁護士が証拠をとれると判断すれば、一時的に団体から着手金を負担し、解決した後に戻してもらえばいいという形を目指している。

スーツを着たダンディな男性のイメージカット

「まだまだ法テラス(日本司法支援センター)ほどではないですが、団体をこれから大きくして、理不尽なことに苦しんでいる人が、気軽に相談できる体制をつくり上げていきたい。理不尽な目には遭ったけど、結果的にはむしろラッキーだった、と思えるようにしたいんですよ」

ボクサーの井上尚弥さんによって、美容医療のイメージが180度変わった

ヒゲ脱毛を決意したのは、50歳を迎えたとき。レーザー脱毛は毛の中のメラニン色素に反応して熱を発生し、毛根にダメージを与えて脱毛するシステムだ。そのため白髪になるとレーザー脱毛はできない。だから、40代までにやっておいたほうがいいという話を聞いたのがきっかけだった。

「以前は、男が脱毛なんて、という偏見が僕にも多少はあったかもしれません。それが完全になくなったきっかけは、プロボクサーの井上尚弥さんのデビュー戦をテレビで観て、彼が美容医療で脱毛をされていると知ったことです。井上尚弥さんといえば、世界一強いボクサーで、男だったら誰もが憧れるような存在じゃないですか。そんな彼が脱毛をしていると知り、僕の中の美容医療のイメージは完全に変わりました」

スーツを着たダンディな男性のイメージカット

脱毛していつもベストコンディションでいられることが、自己肯定感につながった

井上尚弥さんへの憧れだけではない。今は社長として、相談者への対応を主に行っているため、信頼してもらうためには清潔感が絶対不可欠。とはいえ、人が足りなければ現場に入り、尾行や張り込みをせざるを得ないこともある。そんなとき、無精ひげのまま相談を受けざるを得ないこともたびたびあった。

「無精ひげも、似合っていて清潔感があればいいと思うんです。でも僕の場合はそうではなく、昭和の探偵みたいな古いイメージになっちゃって……。少しでも探偵のイメージを向上させたいと思って『社団法人探偵協会』を立ち上げたくらいなので、なんとかしなければと真剣に思ったんです」

脱毛の施術を受け、ヒゲを気にせずにすむようになったことで、「いつでもベストコンディションで人と会える」ことが自己肯定感を向上させることに気づいたという。

スーツの男性が真剣に考えているシーン

「それをしたことで自己肯定感が1ミリでも増すのであれば、極端な話、他人に迷惑さえかけなければ何をしてもいいと、僕はずっと思っていました。自分が脱毛を経験したことで、その気持ちはさらに強くなりましたね。清潔感をキープできることで自己肯定感が高まり、相手も信頼しやすくなって安心できるのだから、お互いプラスな話なのではないでしょうか」

脱毛で後悔していることはたったひとつ。最初から麻酔をかけなかったこと。

「痛いとは聞いていましたが、『それほどじゃないだろう』と、たかをくくっていました(苦笑)。よっぽど痛そうに見えたんでしょうね。施術してくださった方が『今からでも麻酔ができますよ』とおっしゃってくださったので、すぐにお願いしました。麻酔をすると、これがもう、全然痛くないんですよ(笑)。見栄を張らずに、最初から麻酔をお願いすればよかったです」

戸塚敦士
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