ガチガチ肩を卒業して再スタート!“元アイドル”が持つ新たな目標
撮影:小川 遼
1989年生まれ。埼玉県出身。大学在学中に吉本興業のアイドルグループオーディションを受け、第4期生として合格。3rdシングル「恋愛ストライカー」ではセンターを務め、オリコンウィークリーチャート10位を記録。2012年に卒業し、女優に。2019年に結婚、出産をし、現在は徐々に芸能活動を再開している。
アイドルになったのは
宝塚に“ドハマり”したのがきっかけ
大きな瞳と癒し系の微笑みで輝きを放っていた日向紗代さんは、元アイドル、女優という経歴の持ち主だ。この日の撮影ではさすがの存在感を発揮、インタビューでも質問に対して的確な答えを返してくれた。
「こんなふうにきちんとインタビューを受けて、メディアに載せていただくのは10年ぶりです。アイドル時代はメンバーがたくさんいたので、こんなに自分ひとりで話す時間は長くなかったんですけど(笑)。アイドル時代は『こんなに頑張っているのに、なんで仕事が来ないんだろう』とか『オーディションにまた受からなかった』と落ち込むことも多かった。でも今考えてみれば、あれだけ華やかなステージにあがってファンの人たちに応援してもらって、好きな歌とダンスができたわけなので、楽しかったな、と思いますね」
元々はアイドルに憧れていたわけではなく、宝塚歌劇団を目指していた。その思いは中学生時代にさかのぼる。
「『ベルサイユのばら』世代で、安奈 淳さんの大ファンの母に、中学生の頃に初めて宝塚歌劇団の公演に連れて行ってもらったんです。それでもう“ドハマり”して。私は紫吹 淳さんの大ファンになりました。3歳からバレエを習っていたんですが、宝塚音楽学校入学を目指して埼玉から夏期講習に行ったこともありますし、音楽大学出身の先生にレッスンを受けたりもしていました。でも、どうにも身長が伸びなかった。『歌って踊れることを生かして、他のことができないか?』と思っていたとき、たまたまインターネットで好きなお笑いタレントさんの情報を見ていたら、アイドルグループのメンバーの募集記事が目に留まったんです」
大学2年生のときにオーディションに見事合格し、吉本興業のアイドルグループ「YGA」に所属。お笑いタレントが多く所属する事務所だけに、YGAは個性豊かなメンバーばかりだった。
「私はタレントやメンバーのモノマネをしたりして、ちょっとお笑い担当でした。グループは2012年に卒業したのですが、その後はタレントとして、ものまね番組に出たこともあります(笑)。以前から『中島みゆきさんの声にちょっと似ている』と言われていたので、『地上の星』を歌わせていただきました。これが地上波で初めてソロで歌った経験でした」
接骨院にも鍼灸院にも勝てなかったガチガチな肩に、「ボトックス」が効くなんて
その後、一度芸能界を引退。会社員を経験し、結婚、出産を経て現在に至るが、宝塚歌劇団に憧れていた中学生時代から悩まされていたのが、「肩こり」だという。
「中学生の頃から整体やマッサージに通っていました。受験勉強、試験勉強で長時間机に向かったら、決まって肩まわりはガチガチ。施術を受けたその日は肩まわりが軽くなったような気になりますが、またすぐ元のガチガチの肩に戻ってしまう。アイドル時代はずっと接骨院通いで、出産してからは鍼治療に通いました。鍼治療はマッサージよりも効果は持続しましたが、結局、家に帰って子どもを抱っこしているとまたその日のうちに痛くなって……。子どもを預けて鍼灸院に通うのも難しくなってきて、そんなときインターネットで調べていて出会ったのが、『肩こりボトックス』なんです」
「肩こりボトックス」とは、肩の炎症が起こっている部位に直接ボトックスを注射することで、肩こりを改善するもの。
「ちょうど授乳が終わったので、試しに1回やってみようかなと。受けた結果、日々の肩こり、同時に悩まされていた頭痛も解消しました。『3カ月くらい効果が持続する』と聞いていたのですが、私の場合症状が重かったのか、2カ月くらいで効果が薄れてきたんです。クリニックに『もう少し量を多くするか、3カ月間を置かないでまた打っていただけないですか?』と打診したところ、『量は増やせない、3カ月間を開けるのが原則だ』と断られました。でも、それで『危険なことはしないんだな』とクリニックをいっそう信用することもできました。今までに3回の施術を受けたんですが、継続しているからか、だんだん効果が持続するようになってきた気がします」
元アイドルとして、説得力あるビジュアルでいたい
「子育て中でも美しくいたい」、日向さんがそう強く思うのには理由がある。
「最近は、芸能活動を徐々に再開させていただいています。先日は、お笑いもできる5人組アイドルグループ『(笑)しがみついた青春』さんの振り付けも担当させていただきました。『元アイドル』としてお仕事をいただいているので、現場におばちゃんが行ったら説得力がないなと思って。「元アイドル、さすが、キレイにしているね」と言われたいじゃないですか(笑)。人前に出る機会があると、それに向けて意識も高まるし、自分としても『来月はあの仕事がある』と思うだけでワクワクして、背筋も伸びるんです。子育てをするために主婦になったので、息子が幼稚園に入るまでは育児が優先ですが、できることを徐々に始めていきたいですね」
SNSなどで発信すると、アイドル時代のファンからの反応も多く、やる気もアップしているのだそう。これからの夢も広がっている。
「最近はなかなか舞台を観に行けないですが、また宝塚のステージやオフ会に参加したいですね。私は紫吹 淳さんと同じ位置にピアスの穴を開けているんです。これは中学生のときに『大人になったら開ける』と決めて、成人してから開けたもの。いつかお会いしたときにそのことを伝えるため、その日が来るまでこのピアスの穴はキープします」
今も紫吹 淳さんが“イチ推し”なのかと聞くと……。
「もちろん紫吹さんが一番の憧れですが、現役の宝塚歌劇団の女優さんにも注目している方がたくさんいます。でも、今一番の“推し”は息子かな(笑)。今は息子の寝かしつけに成功して、ゆったりしながらTwitterやInstagramを見ている瞬間が至福のときです」