シミさえなくなれば……。
落ち込でいたママが「私、ちょっといいんじゃない?」に変わったワケ

2023.03.24
山本君子
取材・文:桑原 恵美子
撮影:荒 眞人
山本君子 経験施術は、フォトダブル、エレクトロポレーション。
34歳。21歳で結婚し、9歳の長男、6歳の次男、4歳の長女、飛行機の整備士をしている夫との5人暮らし。長女が幼稚園に上がったので、その時間だけ事務関係のパートをしている。趣味はネット通販でプチプラコスメを買うこと。
21歳で結婚し、3人の子供は、かわいい盛り。無口だが優しい夫は子煩悩。そう聞くと絵に描いたような幸せの中にいるように思えるが、1年半前の山本さんは子育てに疲れ果て、息抜きやリフレッシュの方法を見失い、絶望していたという。

子供からひとときも目を離さず、一日終えるだけで精一杯だった

山本さんは21歳で結婚し、25歳、28歳、30歳のタイミングで出産。一番下の長女が幼稚園に入ることができたので、今はその時間だけ、事務のパートをしている。結婚当初は、子供は一人で余裕をもって優雅に子育てをするイメージを抱いていたが、「どうしても女の子が欲しい」という夫の要望を受け入れた結果、三人の子供を持つことになった。

山本さんドキュメンタリー取材

「自分がまさかこんな子だくさんママになるとは……(苦笑)。母親って、子どもが生まれた瞬間から『その命を守る』全責任を背負わされるじゃないですか。ひとときも目を離せず、一日を終えるだけで毎日精一杯で、疲れ切って、自分のことはすべて後回し。それが10年間続いたんです。子育ては綺麗ごとじゃありません。子どもがすごく可愛いと本当に心底幸せを感じるときも確かにあるけれど、大変すぎて全て投げ出して逃げてしまいたいと思うときもあります。母親はみんなそうじゃないでしょうか」

上の2人がやんちゃな男の子だったこともあり、この10年間はメイクどころか、顔を洗う暇もないまま一日が終わることも珍しくなかった。顔を洗うといっても水でバシャバシャするのがやっとで、オールインワンを塗れれば良いほう。上の2人に手がかからなくなり、長女が幼稚園に入って、ホッと一息ついたときに鏡を見て、驚いた。もともと多めだったシミが、妊娠と出産を繰り返すうちに濃くなっていたのだ。

ドキュメンタリー取材山本さん。川沿い

「目の周りからほほにかけて、シミがつながって黒っぽく見えるくらいにひどくて、顔色もくすみきってもう、土色というか……。それを隠そうとしてファンデーションを厚塗りしても、肌の色が暗くなっているので、余計に汚く、老けて見えてしまうんです」

シミさえなくなれば、落ち込んだ気持ちから抜け出せるかもしれない

子育てに追われていたとはいえ、この10年間、何もやってこなかったのは自分自身。そう反省した山本さんは、製薬会社が開発したという高価なスキンケア化粧品を試してみることにした。だが、効果があるのかないのかもよくわからなかった。

「私の性格上、高いとチビチビ使ってしまうからかもしれませんが……。メイクをしてもダメ、高い化粧品でも改善しないということで、さらに落ち込んで絶望してしまったんです。私の女としての人生は子育てに奪われてしまったんだ、もう何をしても取り返しがつかないって……」

暗く落ち込む山本さんを見て、夫は「美容院にでも行ってリフレッシュしてくれば」と言ってくれた。だがそんな優しささえ当時の山本さんには響かず、むしろ棘のように突き刺さった。

山本さんドキュメンタリー取材。髪を触る

「リフレッシュしてこいって放り出されても、全然リフレッシュなんてできないんです。美容院なんて単に身だしなみを整えるだけで、なんでそれでリフレッシュ扱いされるの?と、それにすら腹が立ちました。じゃあ何がしたいの?どうしたらリフレッシュできるの?と夫に聞かれても、自分が何をしたいのか、それすらもう全然わからなくなっていたんです」

これではいけないと思った山本さんは、まず、嫌だと思っていることを紙に書き出してみた。

「そのときに、改めて気がついたんです。私、顔のシミが濃いのがほかの何よりも嫌で嫌でたまらないんだな、って……。だったらそこを何とかすればこの落ち込みから抜け出せるんじゃないかと気づいたんです」

これが駄目だったら人生を諦めよう

化粧品ではすぐに目に見える効果がないことを体験していた山本さんが、「これが最後の手段。これが駄目だったらもう人生を諦めよう」と思って決心したのが、美容医療の施術を受けることだった。

ドキュメンタリー取材。山本さん。インタビュー中

「よく広告を見ますし、YouTuberの方でも実際にやってみた結果を配信されている方が何人かいて、それを見ると見違えるほどキレイになっていますよね。それを見て、1回試してみようっていう気持ちになりました」

10年間、自分のことにお金を使うことがなかった山本さんの背中を押したのは、ぎりぎり手が届く1万円台という価格だった。数万円台しかなかったら、挑戦できずに諦めていたという。最初に受けた施術は、真皮層と表皮層にレーザーを照射する「フォトダブル」だった。最初に行ったときは怖くて、手汗が止まらないほど緊張したという。

ドキュメンタリー取材山本さん。説明中

「やっぱり痛さもあるって聞くじゃないですか。でも、やると決めたんだから、もう腹をくくろうと思って。『私は3回の出産を経験したんだ。あの痛さと比べたらなんてことはないはず』と思うようにしたんです」

「最初は確かに痛かったし、そもそも顔に刺激を受けるということが人生初だったので、やはり『こういう感じなんだ』ってびっくりしました」と山本さん。シミが濃かった初回は痛みが強かったが、シミが薄くなってくると痛みも弱くなってきた。

あのカサカサ肌はどこいっちゃったの?
肌のうるおいもトーンも目に見えてアップした

フォトダブルを繰り返すうちに、土色にくすんでいた肌のくすみが消えて透明感があらわれ、何よりも自分でも「トーンアップした」という実感があったという。

「夫はもともと、そういう変化について何も言わない人なんですけど、私の両親と姉が、ものすごく驚いたんです。『もう全然違う!』『化粧したら、シミが全然わからないレベル』って。そう、確かに同じファンデーションを使っても、施術前とは見え方が全然違って、肌がパッときれいに見えるんですよ」

山本さん。ドキュメンタリー取材

効果を実感した山本さんが次に試したのは、電気の力を利用して美容成分を肌の奥に浸透させる施術「エレクトロポレーション」。

「シミもすごかったんですが、もともと乾燥肌だったので、肌がカサついて、表面がウロコみたいに皮が浮いていたんです。冬なんて、顔がパリパリして、乾燥で顔が引きつっちゃうくらい。それが施術後は『あのカサカサはどこに行っちゃったの?』って思うくらい、うるうるになって。しかも、それがしばらく続くんです。もう本当に、エレクトロポレーションありがとう、と思いました。高い化粧品を使うより、効果がすぐにはっきりと出る美容医療のほうが良いなと実感しました」

“子供最優先”でも、『私、ちょっといいんじゃない?』って思える気持ちが復活した

肌が潤って透明感が出てきたので、メイクにも張り合いが生まれた。

「前は、鏡を見るのも嫌だったんですが、ちゃんとメイクをしたときに『あれ?私、ちょっといいんじゃない?』って思える、あの気持ちを思い出しました(笑)。でも10年間、化粧品なんて買っていなかったので、自分でも、なんとなく『メイクが古いな~』って感じてしまって。そんなときに、韓国のプチプラ化粧品がいっぱい安く買えるサイトを見つけて、それにハマりました」

山本さん。ドキュメンタリー取材。笑顔。

10年間でしみついた「子供最優先」の経済感覚があり、高い化粧品を自分のために買う気持ちにはなれない。だがそのサイトでは定期的に大きな値引きキャンペーンがあり、普段は3千円くらいのメイク用品が千円くらいで買える。それを毎日チェックして、最大値引きのときに買うようにしている。

「日本のお店でも同じ商品を売っているんですけど、私から見ると高いんです。それがうんと安く買えちゃったというお得感の嬉しさもありますし、安いからいろんな冒険もできて楽しい。メイクをすると気持ちが上がって、仕事もやる気が出ますね。前の汚い肌のままだったら、仕事をしていても後ろ向きだったと思います。夫は言葉に出して言う人ではないのですが、明らかにボディタッチが前より増えたかな(笑)」

山本さんは、かつての自分のように子育てに疲れて絶望している女性たちに、ぜひ自分の体験を知って欲しいという。

「子育てはいつか落ち着くし、落ち着いたら心に余裕が生まれる。するとそれまで見ないようにしてきた自分の肌の衰えとか、いろいろと見えてくると思います。そのときにどんなに絶望しても、そこで諦めないで欲しい。『今の美容医療はすごいから、諦めないで一回やってみて』『やってダメだったら仕方ないけど、やる前から諦めないで欲しい』って伝えたい。私も1年半前はそうだったけど、今は『完璧じゃないけど、そんなに悪くもない』って思えていますから」

山本さん。コーヒーを片手に持っている
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