「見られる」ことで、きれいになる
本業でも趣味でも、自分なりの美しさを磨き続けたい
撮影: 森山越
職業は、企業受付。休日には、フォトストックや結婚式場、通販化粧品会社の撮影モデルも。美容とお菓子づくりが好き。埼玉県在住。29歳。
美しいマナーや立ち振る舞いを学び、自分を客観視できる仕事を選択
「以前は美容にはあまり興味がなく、それよりもお洋服が大好きでファッションに興味がありました。ですから新卒で入ったのはアパレルの会社でしたが、オフィスワークにも興味がわき、通信販売の会社に転職しました。でも、深夜までの残業も多い激務で身体を壊してしまい、退職。その頃ちょうど結婚をしたこともあり、腰を据えてじっくり仕事を探そうと思ったのです」
いろいろな仕事を模索するなかで彼女が興味を持ったのは、企業受付の仕事。企業受付を経験すると、その後のキャリアステップに有利だという情報を得ていたことも理由の一つだったが、「仕事を通して、正しいマナーや美しい立ち振る舞いが身に付くのでは、という期待が最も大きな理由だった。そして、彼女のそうした“美しさの希求”には、ある背景があった。
「学生時代、陰で私のことを「ブスだよね」と言っている人がいたんです。それを聞いた時はショックだったし深く傷ついたのですが、「きれいになって、陰口を言っていた人を見返してやる!」という気持ちの方が強かったですね。その当時少し太っていたんですが、その悔しさをバネにして、ダイエットに成功しました」
山田さんは企業受付の他に趣味として、ストックフォトや結婚式場などの撮影モデルの仕事もしている。そうした行動の原点も、「きれいになって見返したい」という気持ちだという。
「どうしたらきれいになれるのか、その方法を考えたとき、『写真に撮られれば、自分がどう見えているのか客観的に判断できるのでは』と思ったのです。実際、仕事やイベントなどでたくさん写真を撮られる機会を積極的に持ったことで、自分の顔の欠点が目立つ角度や、表情があることに気づくことができましたし、逆に欠点が目立たなくなる撮られ方もわかるようになりました」
同僚たちは、「脱毛をしているのがあたりまえ」だった
客観的に自分を見ることに加え、”見られる”ことでも美しさを磨けるのでは……。そう考えて企業受付という仕事を選択した面もあると山田さん。
「最初は、『一日中口角を上げてニコニコしていなければいけないのは疲れそう』と思っていたのですが、ちょうど私が採用されたのがコロナが始まった時期。今に至るまでずっとマスクをつけたまま受付をしていますので、そういった意味での大変さは経験していません。ただマスクだと表情が伝わりにくいので、冷たく見えないよう、目元で微笑みを伝えるようにする努力はしています。そこが大変なところといえるかもしれません」
美容に関しては興味を持ってはいたが、美容医療に関しては悪いイメージがあり、敬遠していた。
「大学時代、ある美容クリニックで施術を受けようとして、予約システムで嫌な思いをしたことがあったんです。それで美容医療によくないイメージを抱いていたのですが、きれいで美容意識の高い同僚たちとの雑談で、私以外はみんな脱毛をしているということがわかり、脱毛していない自分が恥ずかしくなっちゃって……」
同僚たちからの情報提供で選んだ美容クリニックで脱毛をしてもらったが、かつての経験との大きな違いにまた驚いた。
「脇と顔の脱毛をしたのですが、なんとワンコインで脱毛ができて、仕上がりも完璧。脇は3回終わってほぼ毛がない状態になって、ツルツルすべすべ。予約も、店舗が多くてとりやすい上に、ポイントやお得なキャンペーンもあって『本当にこんなに安くていいの?』と思うことも多くて。価格も技術も接客も『美容クリニックによってこんなに違いがあるのか』と驚いて、そこから美容医療にどんどんハマり始めました」
「歯ぎしり」にも効果を感じたエラボトックス
いくつかの施術を経験したなかで、山田さんが特に効果を感じたのはエラボトックス。施術をしたそのときはあまり実感がわかなかったが、施術の効果が薄れたときに、逆に「効果があったんだ」と気がついた。
「エラが張って見えるのはエラの筋肉が強すぎるということも一因だそうですが、エラボトックスはその筋肉の力を弱めることによって、エラの出っ張りを目立たなくする効果があると聞きました。また、私は歯ぎしりがすごくて。治療のために就寝中につけているマウスピースが擦り切れてしまうほどだったのですが、エラボトックスは歯ぎしりにも効果があるそうで、実際、効果を感じました」
また、写真を撮られた時に、頬がこけて陰になるのが気になっており、美容クリニックの医師に相談したところ、「エラが張っているのを逆に生かして、頬にヒアルロン酸を注射してふっくらさせれば、陰ができなくて印象が変わるのでは」とアドバイスされたという。
「ずっとエラが張っているのがコンプレックスでしたので、それを生かすという逆転の発想にびっくりしました。頬がふっくらしたらその分、顔が大きく見えるのでは?という不安もあるのですが、大きく印象が変わるのだったら、仕事中にマスクをつけている今が最後のチャンスかもって(笑)。マスクをとらなければならない日は確実に近づいているので、それまでに気になるところは整えておきたいという気持ちもあります」
シミができたあとの苦労を経験し、紫外線対策を徹底
他にも、シミを取る施術を何度か経験し、「一度シミができると、それを美容医療で消すのはお金も手間もかかるし、痛みも我慢しなければならない」ことを知って、紫外線対策を徹底するようになった。現在は、夏だけでなく一年中日傘をさし、紫外線対策用のサンバイザーも一年を通じて装着している。
「日傘は外側が白で内側が黒いものが特にいいということを聞いて、そういうものを購入して愛用しています。サンバイザーは化粧品メーカーのララビュウさんが老舗レンズ専門メーカーさんと共同開発した『ララビュウ偏光サンバイザー』を、これも一年中愛用しています。わたしはカチューシャや帽子でも頭が痛くなることが多いのですが、これは頭の形に合わせて簡単にサイズを調節できるので、1日つけていても痛くならないところが気に入っています(個人差あるでしょうが)。つけ始めの頃は人の目が気になるかも、と思っていましたが、意外に周りから見られることもなく、最近は全く気にせずつけています」
年齢を重ねた美しさを目指したい
「受付業務をしていてやりがいを感じるのは、お客様や社員の方々から感謝されるとき。お客様をお見送りするとき、エレベーターに乗り込まれた後に振り返ってこちらを見られることもあるので、長くお辞儀をするようにしていますが、それを後でお客様がほめてくださって、社員の方に感謝されたことがあります。小さなことのようですが、どうしたら機械ではできない、温かみのある対応ができるか、日々考えています」
これからの目標は、今の職場でずっと受付として働き続けること。受付部門のメンバーは美意識が高く尊敬できる人ばかりであること、また全員がオフィス立ち上げによる新規募集で集まった同期メンバーのため、絆が強いことも理由だ。
「今の現場は、いろんな世代の方がおり皆さんとても美しい方たちです。私自身も長く受付の仕事をしたいという気持ちがあるので、お姉様方のように自分を磨き続けて、いつかは彼女たちのような美しさを手に入れたいと思っています」