自由気ままな猫のように
“自分らしさ”を考える、人生という散歩道

2023.09.20
アプリコット
取材・文:平川 恵
撮影:森山 越
アプリコット 施術経験は、脇汗・額のシワ対策のボトックス注射、涙袋のヒアルロン酸注射、二重埋没。普段は日帰り手術を得意とする消化器内科のクリニックで、医療事務の仕事に従事している。
趣味はカラオケと、公園や自然豊かな場所への散歩。散歩がてら、おいしいパン屋さんを探すのも楽しみのひとつで猫が好き。埼玉県在住。38歳。
「猫になりたい――」。取材中にぽつりとつぶやいた、アプリコットさん。早くから医療業界で働くことを目指して上京し、20代は医療事務の仕事をこなして駆け抜けてきた。30代になって心に少し余裕がもてたとき、“自分らしく自由に生きる”ことを考え始めた彼女。外見と内面を磨くことに意識が向いたきっかけのひとつには、美容医療も含まれていたそう。

今の仕事に就いたのは「年齢に関係なく働きたいから」

取材を始めようとすると、アプリコットさんは、おもむろにバッグから小さなノートを取り出した。今回の取材に対して即座に応えられように、と事前に話すことをまとめてきたという。どうやら「ちゃんと人と接しなくては」という気持ちがあるらしい。

アプリコットさんの仕事は医療事務。病院やクリニックなどの医療機関で働く事務職のことで、仕事は多岐にわたる。受付業務のほか、会計、医療費の計算、保険会社に診療報酬を請求するレセプト業務などがある。

ONEドキュメンタリー取材アプリコット

アプリコットさんは高校卒業後、医療事務を学ぶ専門学校に進学のため上京。20歳で学校を卒業して以来、長くこの仕事に携わっている。

医療事務の仕事を選んだ理由は「年齢に関係なく、長く続けられる仕事だから」。一般企業の事務職とは違い、専門的な知識や経験を求められる医療事務は常に人材募集があるため、転職は比較的しやすいという。ライフスタイルやライフステージの変化が多い人にとっては心強い職業といえるだろう。

仕事も住まいも変わり、心機一転。美容医療にもトライ

「20代は仕事を覚えるのに必死だった」と話すアプリコットさん。仕事に慣れ、心にも生活にも余裕が出てきた30歳の頃から、何度か転職し、勤務先を変えている。勤務先のひとつには、美容クリニックもあった。

ONEドキュメンタリー取材アプリコット

「同僚には、ボトックスやヒアルロン酸注射など、いわゆる『プチ整形』と呼ばれるものを受けている人が少なくなかったです。『私、〇〇の施術を受けた』、みたいな会話が聞こえてくることも。私の周りでは美容医療を受けるのは、それほど不思議なことではなかったですね」

アプリコットさんは今年に入り、消化器内科のクリニックに転職すると同時に、上京以来住み続けてきた街を離れ、緑が多いベッドタウンに引っ越しをした。勤務先も住まいも、環境をガラリと変えて心機一転。心境にも変化があった。

「前からなんですけど、目を上げるときにおでこにシワを寄せるクセがあって。友達に、『そのシワ、やばいよ』って指摘されていたくらいなんです。今勤めているクリニックのスタッフは、私より若い人の方が多いし、しかもみんなきれい。そんな周囲に刺激を受けて自分の美意識も徐々に変化したこともあり、施術を受けようと思いました」

ONEドキュメンタリー取材アプリコット

おでこのシワを抑えるには、ボトックス注射が有効だと聞いた。ボトックスは5~6年前に脇汗を止めるために経験済み。自然な気持ちで美容クリニックへ向かった。

「ボトックスを打つときに訪れたクリニックで、カウンセラーさんの涙袋がぷっくりしてかわいかったんです。自分も、ちょうど目の下のクマが気になっていたこともあり、『じゃあ一緒にヒアルロン酸もお願いします』と、涙袋に入れてもらいました」

「プチ整形」は、「プチ」だけに劇的な変化がなく周りからも気づかれにくい。が、自分の中で少し変わったくらいが、アプリコットさんにとって丁度良い。

「目の下にできてしまう影のせいで暗い印象だったのが、ふっくらしたことで光が差したようになり、少しだけ微笑んだように見える気がします。おでこは、友達にボトックス注射を受けたことを打ち明けたら、『ああ、確かにおでこのシワ、目立たないね』と言われたくらい。ほんの少しの変化ですが、おでこのシワが気にならなくなったので、事務作業中、ピンで前髪を上げて、おでこを出すようになりました」

ONEドキュメンタリー取材アプリコット

驚くことにアプリコットさんは、取材の前日に二重埋没の施術を受けてきたという。

「前から奥二重が気になってたんです。昨日はちょうど休みだったし、やろうかな、って」

まぶたがそれほど重くないタイプで、ダウンタイムは短かったようだ。保冷剤でこまめに冷やしたところ腫れはスッと引き、施術翌日である取材日は普通にアイメイクをしてきていた。

「施術をしようと思ったのは、環境が変わったのが大きかったと思います。今は、何かしたい。変わりたい……と思っています」

ONEドキュメンタリー取材アプリコット

髪を奇抜な色で染めたり、スキンヘッドにもなってみたい

アプリコットさんは30歳くらいのときに一度、医療業界から離れて半年ぐらいアルバイトで食いつないでいた時期がある。

「長く勤めていた病院を辞めて、エキストラ事務所に所属して、ドラマの撮影現場などに行ってました。自分はそれほどミーハーなタイプではないけど、日常とは違う体験ができて楽しかったです。その他にイベントスタッフのアルバイトをしていましたね」

別に芸能関係の仕事がしたかったわけではない。ただ、医療事務の仕事の合間に、少しだけ違う世界をのぞきたかっただけなのだ。いわば人生の「小休止」。

ただ、芸能やイベントの仕事は予定不調和のことも多く、正確性が求められる医療事務とは対極にあるといってもいい。アプリコットさんの行動の振り幅は意外に大きい。思わず「変身願望があるのでは?」と尋ねると、こんな答えが返ってきた。

ONEドキュメンタリー取材アプリコット

「一時期、髪を長く伸ばしていたのですが、青や赤に染めてみたいと思っていました。今も本当は坊主にしたい願望があります。濃いメイクとか、モード系とかもすごくチャレンジしてみたいですね。仕事柄できないですけど(笑)。変身願望はどこかにあるかもしれないです」

今の心境は、「この際、興味があることはいろいろやってみたい」

仕事は真面目にこなしたいと思っているため、職場には誰よりも早く出勤するという。堅実な仕事に従事する一方で、プライベートでは「自由」を謳歌したいとも考えている。それには、アプリコットさんのこれまでいた環境や経験も影響しているようだ。

「35歳くらいまで自分がやりたいことを『やりたい』って言い出せませんでした。周りに合わせて自分を抑えることも多くて、いつも『自分なんて……』って思うばかりでした」

ONEドキュメンタリー取材アプリコット

小学校の同級生は10人程度。小さなコミュニティで育ち、親もどちらかといえば保守的。そんな土地から東京に一人で出て来て、仕事は長年、真面目にコツコツやってきた。しかし、自分の努力や気持ちだけでは、人生は思うようには運ばないこともある。

「3年くらい付き合っていた人と、お別れすることが何回かあって。32歳のとき付き合っていた恋人とは結婚まで考えていたんですけど……。その人と終わりになって、人生は、なかなか自分の思う通りにいかないんだなぁと思いましたね」

彼と別れてから、男の人が好きそうなアナウンサーのような服を着て、婚活パーティーに足を運んでみたこともある。

「ハイヒールを履いて、自分がしたいと思わないファッションに身を包んで。そうしたら、私、すごい疲れてしまって。それでもう、自分らしく生きようって自分の中で何かが吹っ切れたみたいです。今は転職をし、長く住んでいた街からも引っ越しをして気分が変わりました」

ONEドキュメンタリー取材アプリコット

新しい環境で、自由きままに生きていく

「数年前までは、自分のしたいことよりも優先すべきは周りの意見。でも、今は自分のやりたいことを伝えられるし、周囲の目も以前ほど気にしなくなりました。だって、人はいつ死んじゃうか、わからないじゃないですか。今、できることは、できる範囲でやって満足したいですね」

休日は友達と一緒に、または1人で公園へ散歩に行く。途中、ペットショップに入って大好きな猫を見たり、おいしいパン屋さんに出合ったりすると、うれしい気持ちでいっぱいになる。カラオケも好きで、昔から大好きなアムロちゃんの曲を歌うのも楽しい。東京に程近く、人口の多いこの土地では、アプリコットさんの生き方にも寛容だ。

「天海祐希さんや夏木マリさんは、美しくてかっこよくて、憧れですね。他人に変にへり下るわけでもないし、相手によって態度を変えることもない。自分のスタイルがちゃんとあって、凛としている感じが素敵です」

まもなく40代。仕事も住まいも変わり、美容医療で快適さを身に着けたアプリコットさん。人生半ばの散歩の途中。きっと、今が一番面白いとき。

ONEドキュメンタリー取材アプリコット
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