この世界に住めなくなるかのような恐怖——。
“老い”に気づき背水の思いで挑戦した身体改革

2024.04.26
A.Iさん
取材・文:上遠野 貴弘
撮影:森山 越
A.Iさん 経験施術はトゥルースカルプiD。新宿で生まれ、ずっとその周辺で育った。大学卒業後、IT企業に就職し、主にサポート・エンジニアとして活躍。コロナ禍の在宅勤務の時期に働き方を変えるべくフリーに。情報システム部門のコンサルティングなどを行なっている。47歳。
痩身を追究しはじめるときりがない。悩ましいのは「答えの出し方を知ってしまったこと」だと語るA.Iさん。紆余曲折はあったものの、結果を見ればそれも納得できる。

変わっていく体型をなし崩しにしてきたが

IT企業でシステム・エンジニアとして勤務していたA.Iさん。体型の変化に気がついたのは40歳を過ぎた頃から。

「歳を重ねていくにつれて、徐々に身体に肉がついていき、体重も増えていきました。でも自分ではそれほど気にしておらず、今思えばなし崩しの状態だったのです」

ONEドキュメンタリー取材A.Iさん

40歳を過ぎると、体重は100kg近くにまで増えてしまう。若い頃のベストの体重が60kg弱ほどだったというから、ほぼ40kgの超過だ。それでもまだ危機感はなかった。

「そこまでいくと、逆に管理しなくなるんですね。食生活も、好きなものを好きなときに好きなだけ食べるということを続けていました」

だが、A.Iさんに恐怖心を引き起こさせたのは、健康診断の数値だった。血圧、血糖値、コレステロール値などが軒並み基準値から外れてしまっており、赤い字で書かれていたのだ。

同じ頃、会社の人に「太り方がおかしくない?」とも言われた。

A.Iさん
以前のA.Iさん(提供写真)

「どこがどうおかしいということまでは聞きませんでしたが、でも自分でもなんとなく実感はあったのです。変に太り過ぎていると。そこでダイエットをはじめようと決断したのです。自己流ですが」

具体的には食事の見直しと、家の中でできる程度の運動。

「それとYouTubeなどでダイエット動画を見て、無理のない範囲で実践していました。例えば電車やバスなどの交通機関を利用しないで目的地まで歩くなど」

驚くことにその効果はすぐに現れた。ピーク時の体重から10kgほど落とすことができたのだ。だがそれも束の間、ほどなく壁にぶち当たる。

ONEドキュメンタリー取材A.Iさん

「それ以上は体重が落ちなくなってしまったのです。いくら努力を続けても効果が現れないとモチベーションも下がってしまいます。そのまま熱が冷めてしまって、半年ほどで体重は元に戻ってしまいました」

再び好きなものを好きなだけ食べる生活がはじまった。その頃、コロナ禍の生活もはじまる。在宅勤務の頻度が多くなり、身体を動かす機会も必然減っていく。そのような生活スタイルで1年ほどが過ぎていった。あるとき、横断歩道の信号が変わりかけていたので急いで渡ろうと思った。だが思いとは裏腹に身体が動いてくれない。

ONEドキュメンタリー取材A.Iさん

「全然走れないのです。すぐに息が上がってしまうし、膝も痛くなってしまいました。さすがにこれはちょっとマズイなと思いました」

想像以上に実感した「老いの恐怖」をきっかけに

体重増加による運動能力の低下はまぎれもない。それと同時にA.Iさんを本気にさせたのが老化への恐れだった。

「身体が動かないというのは体重だけではなく、老いも関係していると感じたのです。しかもそのペースが早くなってきているなと」

ONEドキュメンタリー取材A.Iさん

若い人にはあまり実感が湧かない話だろう。しかしそれまで普通にできていたことがちょっと厄介になってきた、もっといえばできなくなった、ということを体験したときの恐怖感というものは想像以上に大きなものなのだ。住む世界がガラッと変わってしまうくらいに。いや、この世界に住めなくなるかのような恐ろしさ。

そんな強迫観念のようなものにも逆に後押しされて、A.Iさんのチャレンジが再びスタートした。以前の如く、外を歩き回ることからはじめたのだが、それもすぐに飽きてしまう。そこでジムに通うようになった。

「音楽を聴きながら1時間ほどマシンでウォーキングです。すると体重は少しずつ落ちていきました。効果が出れば、もう少し活動的なことをしようという気持ちになってきます。そこで筋トレや強度の高い運動も取り入れてみたのです」

これは「とても楽しかった」とA.Iさんは言う。

「やはり専門家であるトレーナーとの会話は有意義でしたし、それによって自分の身体を知るようにもなりました。そうすると、今までできなかった動きができるようにもなったのです」

それと前後して、A.Iさんは会社を退職してフリーになった。身体の変化と同時期に、考え方も変化していったのである。

ONEドキュメンタリー取材A.Iさん

「お金ではなく、時間を優先したいと思ったことが一番の理由です。いろいろな面でタイミングが合ったことも大きいです。あとは年齢的なものも影響していたと思います」

フリーになって最初の1年はやはり大変だった。しかしそれも徐々に安定していく。

「主にコンサルティング業務です。企業の依頼で情報システム部門の調査をはじめ、情報分析、さらにはサーバのコンディションのチェックなどまで、コンサルだけでなく一括で請け負っています」

ちなみにサーバのコンディションやキャパシティのチェックのことをこの業界では「ヘルスチェック」と呼ぶのだそうだ。仕事面でも身体の面でも、大きな転換点を迎えたA.Iさん。ジムで身体を動かすことは楽しく、足繁く通った。その結果、身体の「質」は確実に変わっていった。しかし、体重には変化は見られなかった。ダイエットは引き続き停滞中だったのだ。

ONEドキュメンタリー取材A.Iさん

どうすれば体重を落とせるか。痩身の方法はあるのか。あるのであれば、それはどのようなものなのか。A.Iさんは情報を集めはじめた。

3回のトゥルースカルプiDを終えて「答えの出し方」を知ってしまった

脂肪を落とすために一番手早く行えそうなのは脂肪除去法だった。

「でも切るのは嫌だったのです。ちょっと怖かったので候補からは外しました」

何かいい方法はないかと悩んでいた頃、電車の広告で痩身医療のトゥルースカルプiDを知る。まずはカウンセリングに行って話を聞き、見積もりを取った。さらに自身でその内容を詳しく調べた。

トゥルースカルプiDはRF(ラジオ波)を使用して、身体を傷つけずに脂肪細胞にダメージを与えて脂肪を減らす痩身医療機器である。

「施術後、2カ月くらいすると効果が出はじめるといいます」

これまでダイエットのためにいろいろチャレンジし、実践してきた。そしてこのトゥルースカルプiDを知り、「もうこれしかないかも」という背水の気持ちもあった。1回の施術で23パーセント減という具体的な数字が揚げてあったのもはっきりとした目標になった。

とりあえず1回試してみたい。そんなA.Iさんに担当医師は3回の施術を提案した。そして2023年10月から毎月、計3回の施術を行う。

ONEドキュメンタリー取材A.Iさん

「正直に言えば、結構痛かったです。肉が引っ張られている感じです」

3回の施術を行ったが、すぐには変化を感じない。効果は2カ月後くらいから、という言葉を信じた。すると年が明けてほどなく、堰を切ったように体重が落ちていった。通っているジムのトレーナーはA.Iさんと顔を合わせるたびに「また痩せました?」と聞くほどの劇的な効果だった。

体重が減っていくほど、当然身体は軽く感じる。服のサイズはXLだったものがLに、そして瞬く間にMでも少し大きいかなと思うようになった。そして現在の体重が62kg前後。A.Iさんの周囲の人たちもその変わりようには大いに驚いたとのことだ。

ONEドキュメンタリー取材A.Iさん

「たった数時間の施術で、今まで超えられなかった壁を超えたことに、自分でも驚いています」

A.Iさんはかなりはっきりと効果が出たケースなのだろう。我々が話を聞いている62kgのA.Iさんが100kg近くあったということがまったく想像できない。そのくらいある意味では別人となったともいえる。

体重は劇的に減少した。しかしまだ気になる部分がある。

「二の腕など、まだ脂肪が残っている部分がいくつかあるのです。これをなくしたいというのが次のステップです」

美容は追求していくと切りがないかも、とA.Iさん。トゥルースカルプiDで結果を出したことで「答えの出し方を知っちゃった」とわずかに顔をほころばした。今後もジムでのトレーニングは続け、身体の部分的なたるみを除去していくことが次なる目標である。

老いのスピードをなんとか食い止める、というレベルははるかに超えた身体を、これからは維持していくことが大切だ。

ONEドキュメンタリー取材A.Iさん
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