“サイヤ人”でも
太刀打ちできなかった髭を
美容医療でKOできた
撮影: 森山 越
バイク整備士、格闘家、麺スタグラマー、料理人などマルチに活躍
東京都荒川区にあるキックボクシング・フィットネスジム「野良犬道場」。スパーリングやサンドバッグ打ちにいそしむ人たちの中で、筋肉隆々、金髪の西畑さんは一際目立つ存在だ。
柔道黒帯で、テコンドーや空手も習得してきた彼は、このジムを月1〜2回ほど借り、格闘技体験のイベントを開催している。集まるのは、飲み屋やサウナで知り合った人や、友人の友人など、男女問わず20代から50代まで5〜10名ほど。「一度サンドバッグを打ってみたい」という初心者からプロのボクサーまでさまざまな人が参加し、その時々のメンバーでできる体験を提供している。
西畑さんは、自らも激しくサンドバックを打ったり、回転蹴りをしたりとお手本を見せながら、参加者に指導したり、スパーリングの相手をしたり。途中から参加する人がいればこまめに声をかけ、練習の合間には「ガハハハハ!」と笑いながらジョークを飛ばし、場を盛り上げている。
みんなでたっぷり運動した後は、そのまま近くのサウナに移動して汗を流し、中華料理店でたらふく食べて締めるのがいつもの流れだという。そんなことを軽妙に語りながら「おしゃべりクソ野郎ですみません〜! ガハハハハ!」と笑う西畑さんは終始朗らかで、イベントに多くの人が引き寄せられて来るのもわかる。
西畑さんの本業はバイクの整備士だが、このイベントを開催する他、食べ歩いたラーメンをインスタグラムで発信する“麺スタグラマー”や料理人としても活躍する多才ぶりだ。
「整備士と調理師の資格を持っています。整備士資格は高校卒業後、整備工場で働きながら独学で取りました。でも雇われ整備士はお金も時間もなくて、以前バイトしていたバイク便会社に出戻って。大手企業の専属ライダーを経て、社員として内勤も務めましたが、子どもの頃から好きだった料理のスキルを磨くために、夜はレストランバーで働くことに。そこで副料理長になり、調理師免許も取ったんです。28歳でバイク販売整備事業者として独立して、今は週4〜5日働きながら、ラーメンを食べる旅に出たり、依頼があれば花火大会などのイベントで料理をつくったりもしています」
月30杯のラーメンを食べながら、肉体美と戦闘力を保つために
インスタグラムでラーメンを紹介し始めたのは5年ほど前のこと。
「もう昔からラーメンが好きすぎて。食べ歩いたラーメンの写真をFacebookにまとめて載せていたら、見た人から『どこの店の何かを教えて欲しい』とコメントがくるようになったんです。最初は面倒だなーと思っていたんですが、試しにインスタで1回1回紹介してみたら、案外受けが良くて、調子に乗って続けて今に至ります(笑)」
投稿するラーメンの画像は、麺を箸で持ち上げる “麺リフト”を美しく行うことを意識して撮影。味や店の雰囲気、食べるシチュエーションの提案など、詳しい文章を添えながら紹介している。学生時代の作文は大の苦手だったが、ラーメンについて書くのは苦にならないという。
「今取り組んでいるのは、量が多いことで有名な『ラーメン二郎』のメニューの中でも“大盛り縛り”で全国店舗を全て回ること。ラーメン二郎のファンは多いですが、これをやったことがある人はいないと思います。明後日京都の店に行けば全制覇です!」
カロリーや糖質の高いラーメンを月に20〜30杯も食べているという割に、引き締まった肉体を保っている秘訣は、やはり格闘技のようだ。
「理想は筋肉があるだけでなく戦闘力もある肉体。格闘技を続けていたら、締まるところは勝手に締まります。極真空手をやっていた親父の影響もあって、常に鍛えていないとダメだという意識があり、筋トレや有酸素運動も毎日欠かしません」
大好きだが糖質の多いラーメンを食べ続けるために、ラーメン以外の食生活にもかなり配慮している。
「まず朝起きてバナナとプロテインを摂取。昼はラーメンを食べる前に必ず食物繊維のスティックを飲んで、糖質の吸収をバリアしたり……夕食はラーメンを食べることもありますが、自炊の時は玄米と白米半分ずつ炊いて、納豆やめかぶなどネバネバ系の食材と合わせて食べます。これで不溶性、水溶性の繊維が両方摂れるし、消化も良くて最強なんです」
この他、滋養強壮、糖質燃焼、脂肪を流すなどの効果のあるサプリメントも数種類摂っている。
「これまでラーメンを食べても太らないのは『俺はドラゴンボールのサイヤ人で、お前ら地球人とは違うからだ』と周囲に説明していたんですが、今回、真相を初めて明かしてしまいました(笑)」
髭脱毛で、見た目年齢マイナス10歳、女性との接近戦もOKに(笑)
このように、自分の肉体美や戦闘力はしっかりコントロールしている西畑さんだが、自力ではどうしても変えられなかったのが“髭”だ。
「高校生くらいから、剃っても時間が経つと青くなるのが気になっていました。24歳くらいの時、あえて伸ばしたこともあったんですが、生え揃うのは口の下と顎くらいで、あとはまだらで全然カッコ良くない。それでまた毎日剃るようになりましたが、朝剃っても夕方にはまた目立ってくるから、夜に予定がある日はカバンに電気シェーバーを入れておいてこっそり剃っていました。面倒だったし、人に見られると恥ずかしかったですね」
髭の脱毛にはずっと興味があった。コロナ禍でマスクをする機会も増えた際に、今なら術後の肌荒れも目立たずに済むだろうと思い、受けることにした。
「リサーチして、まず医療脱毛とそうでない脱毛があることを知り、より信頼できる医療脱毛を受けようと決めました。口コミ情報もかなりチェックして、評判や効果、価格などを見た上で、大手クリニックにカウンセリングをお願いしました。多店舗展開しているので通いやすく、脱毛するエリアも自分で細かく指定できると聞いて、お願いすることにしたんです」
1年半ほどかけて、7回にわたる施術を受けた。脱毛の痛みについてよく例えられる”大きな輪ゴムでピシッと弾かれる”ような感触はあったが、耐えられない程ではなかったという。
最初の施術から2週間程度で、生えてきたヒゲがスルッと抜けるようになり、効果を実感。7回の施術を終えた後、髭はほとんど生えなくなり、今はたまに剃る程度で済んでいる。西畑さんが施術を受けるずっと前、7年前の顔写真を見せてもらったが、今の方が断然若く見える。
「久しぶりに会った人から『若返ったね』と言われることが増えました。こないだサウナで出会った大学生に『大学生か、若いねー』と言ったら『お兄さんも年、変わらなくないですか?』と言われて嬉しかったですね。髭がなくなってモテるようにもなり、女性との接近戦もOKに(笑)。インスタグラムのストーリーでは顔出しすることもありますが、前より堂々と自撮りできるようにもなったかな」
肌の調子も今がベストだという。
「元々ニキビが多く、アトピー気味で赤みやカサつきもあったのが、すっかりなくなりました。毎日2、3分でも、電気シェーバーで剃るのは肌にとって結構なダメージだったんだと気がつきましたね。だから高い電気シェーバーを買うよりも、脱毛した方がコスパはいいと思うんです」
かっこいいおっさん経由で、きれいなおじいちゃんになりたい
見た目を磨くことで自信が出ると、より自分磨きしたいと思え、さらに自信が出て……という好循環が生まれる、と西畑さん。
「見た目の年齢って、30代でプラマイ10歳、40代でプラマイ20歳……というように、歳を重ねるに連れて振り幅が大きくなり、自分の努力次第でどんどん、若くも老けても見られるようになっていくと思うんです。そして実は、人間っておっさんの時期が一番長い。だからその時期を汚いおっさんとしてではなく、見た目の若さと戦闘力の高さを兼ね備えたかっこいいおっさんとして過ごしたい。そして80代になった時に『マジで80ですか!!』と若者に驚かれるような、きれいなおじいちゃんでありたいですね」