Documentary

「推しにも、自分にも課金する」
大学生のリアルな美容への考え方

2023.09.29
ゆき
取材・文:ヨコシマ リンコ
撮影:荒 眞人
撮影協力:穏田珈琲
ゆき 経験施術は、二重埋没法(クイックコスメティークダブル)、目頭切開法、全身脱毛。
現在大学四年生、英語英文学科。趣味は読書、ラジオ、ジュニアの推し活。
現在、大学四年生のゆきさん。大学で英語を学んでいるほか、アルバイトや推し活で充実した日々を送っている。そんな彼女は高校三年生のときに二重埋没法を、大学に入ってから目頭切開法を受けて、今の目元になった。近年、学生のうちから美容医療を受ける人が増えている印象だが、ゆきさんもその一人。だが、最初は「美容医療は違う世界の人がするもの」だと考えていたのだという。

「推し」はすべての原動力

小学生の頃からSTARTO ENTERTAINMENTが好きだというゆきさん。「推し」のジュニアができたのは、コロナ禍真っ只中。何気なくYouTubeのライブ配信を見ていたとき、健気に頑張る一人のアイドルに目が止まり、気がついたら「推し」になっていた。

ONEドキュメンタリー取材ゆきさん

「大学に入ったタイミングはちょうどコロナ禍で、ずっと家にいる生活が続いていました。大学の授業もオンラインで、遊びにも行けなくて、気が滅入ることもありました。でも、推しが頑張っている姿を見ると、『私も頑張らなきゃ』と力が湧いてくるんです。推しは私の生活の軸で、すべての原動力になっていますね」

ネイティブな英語の授業もオンラインならではのメリットで学べた

もともと英語が好きだったゆきさんは、将来は英語を生かせる職業に就きたいと考えていたことから、大学はネイティブな英語を学べる学科を選んだ。本来であれば、留学や異文化交流を経験するはずだったが、コロナの影響ですべてがオンラインになってしまったのだとか。しかし、オンラインならではの良さもあったとゆきさんは教えてくれた。

「授業はネイティブの先生がすべて英語で話を進めていくので、最初は本当に聞き取れなくて……教科書通りのきれいな英語と、ネイティブの方の流暢な英語はこんなにも違うんだ、って分かったことが衝撃でしたね。でも、オンライン配信だったので、自分の好きなときに聴けますし、復習することもできました。オンラインならではのメリットのおかげで、自分のペースで学べました」

ONEドキュメンタリー取材ゆきさん

世間話と同じくらい美容医療はラフな存在に

大学三年生になる頃、徐々に外出自粛も緩和。大学の友人と話す機会も増え、美容医療の話になることもしばしばあったとゆきさんは話す。 “美容医療はこっそりするもの”というイメージは徐々に減り、身近な話題として情報交換をしたり、悩みを言い合ったりするのだそう。時間に余裕のある学生のタイミングで、美容医療をする人も多いのだとか。

「一昔前は、美容医療というと偏見も多かった印象ですが、私の体感だと、美容医療をしたからといって友達からの対応が変わったりはしていません。世間話をするように、美容医療についての情報交換することもありますね。今は身近な存在です。クリニックの待合室でも、私より若い世代の方も見かけますし、男性も、年配の方も、老若男女いらっしゃる印象でした」

ONEドキュメンタリー取材ゆきさん

かくいうゆきさんも、学生のうちに二重埋没法を受けた一人。中学生のときに自身の目元が気になりはじめ、大学受験も終わった高校三年生の3月、これから心機一転というタイミングだった。

「もともと、二重の線が安定していなくて、二重幅が三重になったり、左右の幅にバラつきがでたり。アイプチも試したけど、うまくいかなくて。当時、美容医療は芸能人とか、別世界の人がするものだと思っていたのですが、調べるだけなら……と調べてみたら、家の近くにクリニックがあったんです。聞いたことがある名前だし、大手だという安心感もあって。カウンセリングの予約をしました。当日、自分の目の形や理想を相談していたら、トントン拍子に話が進み、『いいタイミングだし、やっちゃおう』と思い切りました」

“自分自身に課金する”という気持ちで

高校三年生ということで、施術を受けるには親からの許可がいる年齢だったが、ゆきさんが二重の不安定さを気にしていたことを知っていた両親は、快く承諾してくれた。施術は「少し怖かった」と言うが、実際に受けてみてどうだったのだろうか?

ONEドキュメンタリー取材ゆきさん

「受ける前はやっぱり少し怖かったですが、麻酔があるから痛みはなくて、ダウンタイムも短かくすみました。その後は、メイクのしやすさが格段に変わりました。もともとは二重の幅が安定していなかったのでアイメイクが難しかったのですが、簡単になりましたね。あとは、写真に写ったときに、目の開き具合が前より大きくなったことで、ぱっちり見えるようになったと気づいたときは、とても嬉しかったのを覚えています」

メイクがさらに楽しくなり、自分の顔と向き合う機会が増えたというゆきさん。大学二年生になった頃、自分の顔を自分なりに分析し、「目頭切開をしたらもっとバランスがよくなるかも」と気づく。

ONEドキュメンタリー取材ゆきさん

「目頭切開をしたことで、二重幅がよりくっきり見えるようになって、さらに化粧がしやすく、写真写りも良くなったと感じていますね。最初は自分と違う世界のものだと思っていたけど、やってみたら全然そんなことなかった。美容医療をしたというより、“自分に課金した”という感覚かもしれません」

万全の状態をキープしながら、好きなことを楽しんでいく

ゆきさんが自分に課金をするのは、自分のためでもあり、また推しのためでもある。美容医療のほかにも、食生活やスキンケア、生活習慣も整え、いつでも万全の状態を保つ努力を怠らないのだそうだ。

ONEドキュメンタリー取材ゆきさん

「生活習慣を整えないと体調にもムラができるし、肌荒れして化粧ノリも悪くなって外見にも影響が出るし、何より推し活が楽しめなくなってしまいます。私は、他の人に『あんな子が推しているんだ』なんて思われないよう、推しに恥じない見た目でいたいんです」

学校も、アルバイトも、好きなことも全力で頑張るゆきさんは、今度どんな大人になっていくのだろうか。

「ギラギラじゃなくって、なんかキラキラしているな、と思われるような人になっていきたいですね。歳を重ねても、素肌が綺麗で、凛としているような。そんな人生を歩めたらなと思っています」

ONEドキュメンタリー取材ゆきさん
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