顔への課金は1000万円、稼いだお金は2億円
「中身を知ってほしい」から始まった地雷チャンの物語
撮影:石田 祥平(ブルーリー)
TikTok
“累計2億円”はこの顔があったから
「配信者は顔だけで人気が決まるわけではなくて、人を惹きつけるトーク力だったり、披露できる特技や特性があったり、人間性だったりが大事です。でも、それも書類審査と同じで、まず顔が“合格ライン”に入らないと知ってもらえないことも多いのが現実。顔がかわいいという“とっかかり”は配信者にとってもちろんプラス要素。この顔があったから私の中身を見てもらえて、好きになってもらえたのは間違いないです」
声優の活動をしながら、7年間毎日欠かさず配信アプリ“SHOWROOM(ショールーム)”で生配信を続けている地雷チャン。配信アプリ界で徐々に認知度を上げていき、今では30万人以上が配信者として活動しているなか、ランキングでは4年連続15位以内に入り続けている。そして、視聴者から送られるギフト(投げ銭)では、なんと“累計2億円”を稼ぐほどまでになった彼女が、常に上位をキープできたのは、「顔を整えたこと」が理由の一つなのだという。
小5で実感、「中身を見てもらうには、まずは容姿を変えなくちゃ」
美意識の目覚めは小学生の頃だった。「物心ついたときからハロプロが好きで、アイドルになりたかった」という地雷チャンは、歌やダンスを練習しながら、アイドルやモデルのオーディションに書類を送る日々を送っていた。しかし、結果は書類審査の時点で不合格。それまで自分の顔について特に意識をしていなかったが、書類審査が通らないことで「自分の顔はあまりかわいくないのかも」と思い始めたのだという。
「歌やダンスをいくら頑張っても、それを披露する前に容姿でオーディションに落ちてしまうんです。『容姿が良くないと、そもそも中身を見てもらえないんだ』という現実を、小学生の時点で叩きつけられました。でも、だからって諦めたくなかったんです」
中身を見てもらえるように、できること。小学生ながらに方法を調べ、最初はアイプチを使用して二重をつくっていた地雷チャン。しかし、それでは悩みの根本的な解決にはならない。そこで、母親に相談して二重埋没法を受けることにしたのだという。
「ママは美意識が高くて、もともと美容医療の知識がある人だったから、二重埋没法を受けることについて特に反対された記憶はないです。オーディションに通らないことも、日々アイプチをしていて目元に悩んでいることも知っていましたからね。それが、人生で最初の美容医療です」
地雷チャンが小学生だった当時は、美容医療は今よりもメジャーではない時代。そのうえ、年齢的にみても、美容医療を受けている人は少なかったはずだ。周りはどのような反応だったのだろうか?
「周りからは白い目で見られたし、いろいろと陰口を言われたりもしました。でも、『私が二重になったことで、あなた達の人生に何の迷惑がかかるの?』って気持ちだったから、何も思わなかったですね。それよりも、かわいくなれることのほうが、ずっと大事でしたから」
自分自身のアクションも、周りの態度も明確に変わっていった学生時代
それから中学高校と、徐々に美容医療を受けながら、かわいさをアップグレードしていった地雷チャン。中でも、高校時代に受けた“鼻尖形成術”という耳の軟骨を採取し、鼻先へ移植させる施術は、「一番顔が変わって、やってよかった」と感じたのだとか。
「それまでは、写真を撮ったら鼻を高く、細くする加工を必ずやっていましたけど、鼻の施術を受けてからは画像加工をしなくても鼻が高く、シュッと写ってくれて。鼻の施術が一番顔が変わったなと思います。そのあと、さらに理想の鼻にするために小鼻を縮小したり、鼻筋を細くしたりの美容医療も受けて、今の鼻になりました」
アルバイトで貯めたお金を、美容医療に投資する学生生活。自身の心境や、周りの反応はどう変化したか?を問うと、「顔が変わっていくにつれて、私は自信を持って行動を起こせるようになったし、周りの男性は態度が明確に変わっていった」のを感じたという。
「文化祭など他校との交流イベントで、自分から何もアクションを起こさなくてもイケメンが声をかけてくれたり、通りすがりに『あの子かわいい』って褒められたり。美容医療やメイクなど、日々の努力で自信をもてていたから、私もその言葉を素直に受け止められる感じでした。自分からナンパしたりもしましたね(笑)。美容医療をしてなかったら、絶対できてない経験ばかりだと思います」
アニメ文化に着目。声優“あま津うに”の誕生
その頃から、地雷チャンの夢は“アイドル”から“世界的なスター”へと変化。本格的な歌を学ぶためにニューヨークへ留学し、ジャズやR&Bなどの音楽を学んだ。しかし、海外で洋楽を歌っても、「日本人の中で“歌の上手い人”にはなれても、 ビヨンセのような世界的カリスマにはなれない」と思い、より自分に合った道を探すため、高校卒業後に日本での活動を開始した。
「『日本人にしかできない表現方法で、私ができること』はないかなって考えて、もともと好きだったアニメ文化に着目しました。まだSNSが今ほど流行っておらず、インフルエンサーという言葉も無かったようなタイミングで、“あま津うに”という活動名でインスタ投稿を開始してフォロワーを増やしていたときに、事務所にスカウトしていただき、声優アイドルとして夢の一歩を踏み出しました」
その後、声優の活動をしながら配信アプリ“SHOWROOM(ショールーム)”で生配信を開始し、現在の地位を確立していく。着々と夢に近づいているようにみえる地雷チャンだが、自身の納得できるレベルまでは到達せず、「芸能活動をやめようか」と考えたこともあったそう。
「声優としてアニメの主題歌を歌ったり、ショールームで結果を出したりしても、世間的な認知度はまだまだ。もう、芸能活動をやめようかと考えていました。でも、1000万かけて顔を整えたそもそもの理由は、表舞台で活躍したいから。悩み抜いた末、名前や自身の売り方を一新しようって。そこから、地雷チャンが始まりました」
「地雷チャン」として夢のスーパースターへ突き進む
声優アイドル“あま津うに”とは全く別の、新しいコンテンツである“地雷チャン”。
これまではアイドルとして求められるきれいな部分だけを出していたが、地雷チャンとなり、男性の歌い手のオタクとして、“あるある動画”を投稿したり、美容医療の体験談、過去の男性関係なども赤裸々に投稿。今では総フォロワー数25万人以上になるインフルエンサーとなり、地上波のテレビ番組にも出演している。
「今まで隠していたことを全部さらけ出す売り方になって、あま津うに時代のファンの多くはいなくなりましたし、アンチもたくさんつきました。でも、私の夢はスーパースター。『バカみたい』って思われるかもしれないけど、真剣に、ずっとそれが目標なんです。スーパースターになるためだったらなんだってする。私を突き動かす原点であり頂点です」
美容医療は、地雷チャンの人生に大きな変化をもたらし、壮大な夢を追う手助けになっていることは間違いない。
「私の人生は、『見た目で中身を知ってもらえなかった』っていう悔しさから始めた物語です。顔を整えると、相手の書類が通るようになる可能性が高まる。でも、まだまだ夢の途中。これからも、そのときの自分に合った美容医療の力を借りながら、夢に向かって突き進んでいきます」