昆布の魅力に取りつかれて20年
手すき昆布をもっと広めたい
2022.03.23
取材・文:ヨコシマリンコ 撮影:荒 眞人 撮影場所:箱根湯本
近藤 哲夫(67)「昆布の長寿館」昆布販売業
仕事について
「おぼろ昆布」をはじめとした、日本の伝統的な昆布の良さをもっと広めるために、20年くらい前からお店を始めました。昔は昆布と関係のない仕事をしていたんだけど、昆布に出合って、感動して、「世の中の人にもっと食べてほしい」「文化として残していかなければ」と使命感にかられたのが、この仕事を選んだ理由。昆布の魅力に取りつかれちゃったんだよね(笑)。なかでもおぼろ昆布は、すごく繊細だから機械じゃ削れない。手すき(手削り)じゃないとダメなんです。だから大量生産が難しい。まだ全然認知されてないんだけど、この美味しさをたくさんの人に届けたいから、日々頑張っています。
好きなこと、趣味について
歴史上の人物で尊敬するのは上杉謙信と西郷隆盛。彼らは、良い意味で“自分がない”んです。いつも他人が優先で、自分のためではなく人のため。弱い人を助ける。本当にかっこいいよね。自分も男としてそうありたいと思ってます。
自分の個性、多様性について
自分の信念は、いかに人を楽しませるか。ただ昆布を販売するのではなく、昆布を通じて、感動や笑いも一緒に与えていきたい。それさえあれば、商いは長く続けられると思っています。こんなご時世でも、お客さんのなかには遠くから来てくれるリピーターさんも多い。本当にありがたいことですね。