請戸漁港の防潮堤をアートで彩る
浪江町のネガティブイメージではなく現状を知ってほしい
2022.06.23
取材・文:岡本のぞみ(verb) 撮影:有泉伸一郎(SPUTNIK) 撮影場所:浪江町
庄司結衣(26)地域おこし協力隊
仕事について
浪江町の地域おこし協力隊として、町のプロモーションになる活動を自身で見つけてやっています。今年で2年目ですが、昨年は請戸漁港の防潮堤をアートで彩る企画を立てて、県内の小学生に魚の絵を描いてもらい、それを貼ってアートに仕立てました。今年は前職の作業療法士の経験を活かして、健康教室をやりたいと準備を始めています。
これまで自分は、人の役に立っていないと思っていました。けれど、地域おこし協力隊の仕事をとおして、「こういうことはできる」というのが見えてきました。仕事を楽しんでやって、自分を好きになれたらいいなと思います。
浪江町について
居心地がいい町ですね。外から来た人も受け入れてくれますが、下手に干渉されないというか、やりたいようにやればという感じなのがいいですね。私は大分出身で東北は遠いので、浪江町に来る前は、まだガラスが割れていたり、放射能の影響があるのかと思っていました。たしかにお店や人は少ないですが、みんな普通に暮らしているし、海の景色もきれい。ネガティブなイメージはもう古い。日常を普通に送れる現状は知ってほしいと思います。
大切にしている信条や考え方
よく「冷静」とか「落ち着いてる」とか言われます。でも、実は頭のなかでぐるぐると考えを巡らせています。それを表現するのが苦手で、10考えていても、1しか言わないタイプです。それは人間関係において信頼が大事だと思っているから。他人からは言葉と行動でしか判断できないので、慎重になっているのかもしれません。けれど、発言したら有言実行。自分にも相手にも嘘をつかないようにしたいと思っています。