Documentary

美容はプラモデルをつくったり、愛車を改造する感覚に似ている。イノベーションを促す“投資”の意識

2023.01.12
河相 亮
取材・文:山西裕美(ヒストリアル)
撮影:鈴木真弓
河相 亮 経験施術は、医療脱毛、シミ取りレーザー。1979年生まれ。大阪府の大手サービス業に13年勤務したあと、東京都の大手化粧品会社に転職。前職、現職を通して「品質保証部門」で勤務する。兼業として2020に「A&H Company」を設立。長年培ってきた「品質保証」に関する知識を生かして、中小企業を中心にコンサルティングを行なっている。
大手化粧品会社の「品質保証部門」で働きながら、2020年には自身のコンサルタント会社を起業したという、現在43歳の河相 亮さん。会ってすぐ感じられるのは若々しい肌と軽快なトーク、そしてバイタリティあふれる存在感だ。それを生み出した背景には、河相さんの旺盛な好奇心と、美容に対する“投資”の意識があった。

美しさが賞賛されるのは、全世界共通

色白の美しい肌で、年齢よりも若々しく見える河相 亮さん。お会いするやいなや、思わず「肌がおきれいですね」と感想を言ってしまった。

河相さんインタビュー中

「現在『シミ取りレーザー』の治療中で、今日はコンシーラーやBBクリームで肌を整えています。美容に力を入れていると女性が気づいてくれて、前向きに捉えてくれるので嬉しいですね。男同士で美容の話をすると、『おまえ、何目指してるの?』なんて言われることもありますから(笑)。肌の美しさが賞賛されるのは、全世界共通。女性はめちゃくちゃ肌を見ていますよね。男性もそれに気づいて、もっと努力すべきじゃないかなと個人的には思っています」

そして名刺を渡す、河相さんの指先の美しいことにも気がついた。

「今日は薄くトップコートを塗って、整えています。妻がネイルが好きなので、情報をシェアしつついろいろやっているのですが、清潔感を考えるとこれがベストかなと思ってます。以前にフィリピンに出張に行ったときに、現地の販売員さんに『キレイな爪ですね。日本の化粧品会社の方は、こんなところまできちんとしているんですね』と褒めてくださったんです。やっぱり、褒められるとうれしくなって、継続しようと思いますよね。今は、美容が楽しくて仕方ない。プラモデルをつくったり、愛車を改造しているような感覚に似ています。美白や美肌の施術にも興味があるし、眉毛やまつ毛のメイクも研究中です」

化粧品会社に勤務しているからと、周りに感化されて美意識が高まったわけではないという河相さん。美容の後押しをしてくれるのは、妻の存在だ。

河相さんの会社について話し中

「今の会社はおしゃれな方が多いのですが、美容を実践している男性はあまりいなくて、同僚には『美意識高いですね』なんて言われることもあります。最初に受けた美容医療は12〜13年前の『髭脱毛』だったのですが、それは髭剃りのときのカミソリ負けがきっかけ。歳を重ねるごとにひどくなってきたところ、妻が美容クリニックの事務をしていたこともあって『脱毛したら?』と勧めてくれたんです。髭のまわりがキレイになると次は日焼けが気になり始めて、日焼け止めを塗るように。そうすると、体毛が気になってきて(笑)。VIOと臀部をまとめて3年くらい前に処理しました。今はとても快適ですね。息子たちにも、早めに脱毛するように勧めています(笑)」

「お金は後でついてくる」
副業の目的は“新しい経験”を得ること

現在の所属は「品質保証」部門。前職の大手サービス会社を含めると、この分野のスペシャリストとして20年近いキャリアを持っている。

「一般的にはあまりなじみのない仕事だと思うんですが、カーレースに例えるならば、ドライバーがうまく走れるようにナビゲートをする役目です。企業が『こんな商品をつくりたい』となったら、『これを日本で売るならばこういう法律があるからこれを守るべき』とか『中国で売るならこの素材は使えない』などのアドバイスをする。そして実際に発売されたらクレーム対応や他の製品への影響がないかなどを対応していく業務です。裏方ですから、表立って褒められることもないし、マイナスをゼロにする仕事なので、向き不向きはありますね。でも私には向いているので、この業務を続けていきたいという思いはあります」

河相さんしゃがむ

「品質保証」の業務にこだわりつつも、元来の好奇心の強さから、2020年には自身のコンサルタント会社「A&H Company」を起業した。

「ひとつの会社に入ったら、基本的にその会社の製品に関する業務になる。転職をしたとしても、その繰り返しですよね。『どうしたら、もっと幅広い業界の方々と仕事できるのだろうか?』と考えたときに、周囲の方々のアドバイスもあって起業を決意しました。今は主に、中小企業の品質管理についての問題の解決策を提案しています」

設立して2年、コロナ禍の影響もあったが、ここにきて多忙になりつつある。

「そもそもお金が欲しいというよりも、『いろいろな経験がしたい』『勉強がしたい』という思いで起業をしたので、“お金は後でついてくる”という考えでいます。『稼ぎたい』が入口だと、副業をするのはちょっと辛いかもしれないですね」

河相さん微笑む

自己満足は“浪費”であり、誰かのための情報につながればそれは“投資”である

起業をしてからというもの、頻繁にSNSを利用するようになったという河相さん。投稿するネタは主に、全国の“おもしろスポット”。年間300スポット以上に訪れ、発信を続けている。

「コンサルの仕事の中で『売り上げを伸ばすためにはどうしたらいいか?』という相談に対して『SNSの活用は外せない』と答えている手前、自分もやらなくてはと思ったのがきっかけです。最初は『出かけるのが好きだから』くらいで、旅先のスポットをインスタにあげていたんですが、投稿するために出かけるようになってしまい(笑)。今では、家で何もせずにいると一日をムダにしてしまったようで、ストレスと罪悪感にみまわれるくらい。美容に関する発信も増やしていきたいですね。発信することで誰かのためになったり、『若く見えますね』というコメントがついたりすると、やる気も上がりますし、僕にとってもそれが“投資”になりますから」

河相さん曰く、自己満足は“浪費”であり、誰かのための情報につながればそれは“投資”であるという。

河相さん立ち姿

「美味しいものを食べて『美味しかったね』で終われば、一時の満足感はあるかもしれないけど、僕にしてみれば浪費に感じます。インスタやTwitterに投稿すれば、誰かに対して何らかの情報を提供するわけですから、それは投資になると思っています。SNSは現代における1番のイノベーションですから。もっと積極的に発信していくべきじゃないかなと思います」

スピーディーな意思決定のもと、常に行動しイノベーションを成し遂げている河相さん。先に見据えるのは、東南アジアへの進出だという。

「近い将来、東南アジアに拠点を移したいなと思っているんです。世界に目を向けたときに、経済状況を見てもこれから伸びるエリアですから。息子にもマレーシアの大学を勧めています。これからも、自分が楽しいと思えることをやり続けて、充実した50代になっていたいですね」

河相さん腕を組む
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