歌手&ジムトレーナーにとっての美容医療
「あったら良いぐらいの、ビタミンサプリみたいなもの」
撮影:鈴木真弓
撮影協力:武蔵野珈琲店
歌手として活動するほか、オタクジム「Clara」パーソナルトレーナーとしても活動。ベストボディ・ジャパン2020宇都宮大会3位入賞。趣味は筋トレ、アニメ鑑賞。
推しのスタイルに憧れて筋トレを本格化
気がついたらジムのトレーナーにまでなっていた
福長さんは、TVアニメ“進撃の巨人”の主題歌を担当したLinked Horizonのライブツアー“Linked Horizon Live Tour 2017進撃の軌跡”にて、アニ・レオンハートのイメージソングを担当。もともとアニメ好きだったということもあり、仕事を通して進撃の巨人の世界観にとことんはまっていったという。
「出会いのきっかけは仕事でしたが、誠心誠意歌うためにアニちゃんと向き合ってくうちにどんどん惹かれていって。今でも大好きなキャラクターです」
ツアーから1年ほど経ったころ、一時的に音楽活動を休止していた福長さんは、 「新しいことに挑戦しよう」とパーソナルジムへ通い始める。そこで筋肉の大切さを感じて本格的に学び始めたところ、歌手を少し休んでいるタイミングも重なってトレーナーに転身。現在では歌手と両立させながら、オタク専用パーソナルジムのトレーナーとしても活動している。
「筋トレをやってみてはじめて、アニちゃんくらいの筋肉をつけるのは、すごく大変なことだと気づいて。『アニちゃんすごい、私もああいうスタイルになりたい』って思いで頑張って、気がついたらトレーナーにまでなってましたね(笑)。今の職場は、『推しに恥じない自分になるため』とか、『コスプレイヤーとしてスタイルを保つため』とか、オタクならではの理由でボディメイクしたい女性向けのパーソナルジムなんです。トレーナーも全員何かしらのオタクばかり。もちろん私の推しはアニちゃんです(笑)」
悩みをそのままにしない。とにかく何か行動してみる
歌手としてもパーソナルトレーナーとしても、メディア露出する機会がたびたびあるという福長さん。人から見られやすい立場とあって美意識は常に高いが、もともと吹き出物ができやすい体質だということもあり、「肌のコンディションが日によって大きく変わってしまうのが悩み」だったという。
「顔に吹き出物ができちゃったときは、気にして人の目を見て話せなくなっちゃうんです。あと、メイクをしてたら頬にシミができているのにも気づいて、一度気になったらずっと気になっちゃって……。これは良くないなと思って、どうにか出来ないかといろいろ調べて、美容医療を選びました」
医師と相談した結果、顔はダーマペン(超極細針で肌の表面に小さな穴を一時的につくり、肌の回復力を向上させる治療)を選択。「どうせやるなら」と、遺伝的にある二の腕の毛孔性苔癬(もうこせいたいせん)の緩和のために二の腕にもダーマペンをしてもらうことに。さらには頬のシミ取りもおこなった。
「吹き出物もシミも二の腕のブツブツも、悩んでいるだけだと何も変わらないから、とにかく行動しなきゃ、試してみようって思いでした。美容医療はもちろんリスクもあるしお金もかかることだけど、立ち位置でいえば、ビタミンサプリみたいな。なくてもいいけど、あったらいいよね、くらいの気持ちでしたね。おかげで顔も二の腕も肌が落ち着いて自信がついたから、私はやってよかったです。人の目を見てしっかり話せるようになったし、ノースリーブのトレーニングウェアを気にせず着られるようになったのも嬉しかったです」
自信がないから、努力を積み重ねる。
それでしか得られないことがある。
筋トレを始めてから食の大切さにも気づき、食育インストラクターの資格も取得するなど、福長さんは努力し続けている。それだけではなく、現在は整体の勉強をするために学校にも通っているのだという。
「お客さんのトレーニングをしていて、身体の硬さとかコリとか……さまざまな原因で、筋肉に思うようにアプローチできない人って多いんです。しかも、それに気づいてない人が多い。だったら、私が気づいてケアできたらいいなって。トレーナーである私にとってお客さんはたくさんいますが、お客さんにとってトレーナーは私一人なことがほとんど。だから、一人ひとりと真剣に向き合うために、今勉強中です」
「身体が動くうちにできることをやっておきたい、挑戦したい」と、向上心の尽きない福長さん。なぜそこまで頑張れるのかと聞くと、「自信がないからです」と意外な答えが返ってきた。
「昔から、自分に自信があるタイプじゃありません。でも、自信がないならつくように努力を積み重ねるしかない。新しいことに挑戦したり、さらなる高みを目指すのは、自信を積み重ねたいからかもしれないですね。その努力は誰にも奪えない、自分だけの財産になりますから」