“精神面も前向きにしてくれた”
心理カウンセラーが実体験から語る美容医療の精神的効果
撮影:森山越
1969年生まれ、福岡市出身。民間会社での勤務を経たのち、20代後半で看護師に転職。1999年からは精神科と心療内科のカウンセラーとして、人の心の悩みに向き合う。趣味は、Netflix(韓流ドラマ)とサ活で、休日はサウナで3時間以上汗を流す。好きな芸能人はX JAPANのhideと、高須クリニックの院長。
「先入観で患者さんを見ない」
カウンセリングのポリシーとやりがい
Mさんは、30歳のときに「人と深く関わる仕事がしたい」と、総合病院の看護師から転職して心理カウンセラーになった。それからは猛勉強をして、国家資格の精神保健福祉士や公認心理師を取得し、カウンセラーとしての知識を着実に増やしてきたという。努力の背景には、かつて患者から言われた言葉があった。
「『どうせ、あなたには分からないでしょ』と言われてしまったことがあるんです。『偽善者』と言われたこともありました。だからちゃんと勉強して、資格も取って、『あなたの気持ちもわかるよ』と、言えるようになりたかったんですね」
2人きりで話すカウンセリングもあるが、最近は同じ悩みを持つ人たちが集まって、悩みや気づきを共有し合う集団療法がメジャーになりつつあるという。そこで、言葉をかみ砕いたり、意見の衝突を回避したりしながら話を進行するのが、Mさんの役割だ。
カウンセリングにおいて彼女が心掛けていることは、「先入観で患者さんを見ないこと」。
看護師学校時代には、『色眼鏡をかけた看護の怖さ』というタイトルで論文も執筆。先入観でこういう人だと決めつけずに、あくまでもたった1人の個人として接することを自身の掟にする。そんなMさんのやりがいは、着実に回復していく人を見たときだ。
「自分が行ったプログラムから、ちゃんとステップアップしている人を見ることがあるんですね。休職していた人が復職したり、無職だった方が就労支援施設に通うようになったり。そうやってリカバリーをしている患者さんを見たときは、『ああ、この仕事をやっていて良かったなあ』と思います」
節目で気になり始めたほうれい線が一瞬で消えた
そんなMさんが見た目に悩むようになったのは、節目である50歳の誕生日を迎えたとき。鏡をのぞくと、急にほうれい線が気になるようになってしまった。年齢による衰えを感じると、同時に仕事へのモチベーションも下がってしまったそうだ。
「ほうれい線は濃い方ではありませんでしたが、50歳になったときに急に気になってしまったんです。そうなると年齢自体も気になりだして、処方箋に書いてある自分の年齢にもいちいち落ち込んだりするように……。仕事でも、定年までのカウントダウンを感じるようになって、それまでのやる気がなくなってしまいました」
誰かにほうれい線を指摘された訳ではないが、一度自分で気になりだすと、無視して生きることは難しかった。そこで、Mさんは神奈川県で名医と呼び声高い医師の施術を受けることにした。糸リフトは左右に5本ずつ入れて、ボトックスも注入。また医師からのアドバイスで、顎にできる梅干しジワも消した。効果は施術後すぐに感じたという。
「オペ室で先生に鏡を見せられた瞬間から、『本当だ、ほうれい線が消えた!』と思いました。そこから不思議と、40代にまた戻ったようなイケイケな気持ちになれたんですね。前向きになって、『もっと患者さんに信頼されたい』とか、『もっと挑戦したい』という仕事への意欲や積極性が戻りました」
精神科では治せない悩みでも、
美容医療で解決することがある
およそ25年、精神科に勤務してきたMさん。施術を経験した今、カウンセラーとして美容医療についてどう思うのだろうか。そう尋ねると、「外見だけではなく、精神面も前向きにしてくれる効果を感じる」と笑顔で話してくれた。精神科ではなかなか治せない悩みを、美容医療がすぐに解決することもあると、実体験から感じたそうだ。
「美容医療は自己肯定感をあげる意味でも良いと思います。自己肯定感の低さから病んでしまう人も多いですから。外見だけではなくて、内面も変えて前向きにしてくれる効果がある気がしますね。だからこそ、美容医療が身近な存在になってほしいと思います」
取材中もずっと明るく、若々しい笑顔を見せてくれたMさん。最後に心理カウンセラーとして長く人の心を見つめてきたMさんが、楽しく生きるコツを話してくれた。
「何においても、やらずに悩むのなら、やってから後悔した方が良いと思います。『やらなければよかった』という後悔も確かにあるのだけれど、やらない後悔はもっと長く続きますから、“たられば”よりは良い。私も『50歳にもなって、今さら自分の見た目を変えてどうするの?』と思ったけれど、これだけ前向きになれたのですから」