「目的は若返ることではなく、大きく老けないこと」
あくなき探究心から行き着いた、美の境地
撮影:石田祥平
1980年生まれ。奈良県出身。高校卒業後は美容専門学校に進学し、エステティシャンの国際ライセンス「CIDESCO(シデスコ)」を取得。エステティシャンとして大阪、東京で勤務した後にインストラクターとなる。現在は休職し、2児の母親として日々子育てに邁進中。
ママ友にもらった写真を見てから、美容医療がルーティンに
猛暑が続く某夏の日、スリムな体型をスタイリッシュなファッションで包み撮影場所に現れた神山あやかさん。43歳となった現在も、美容医療を定期的に取り入れた美意識の高い生活を送っている神山さんだが、そのきっかけは「歯」だったのだそう。
「高校生の頃からキレイでいることへの興味が強かったんです。当時はまだ“美容=エステ”という時代だったので、卒業後はエステティシャンになろうと思っていました。それで当時大阪に一校だけ『CIDESCO(シデスコ)』というエステティシャンの国際ライセンスを取得できる専門学校があって、そこを卒業して大阪で働き始めました。
その後26歳で東京のエステティックサロンでマネージャー職を経験し、大手エステティックサロンの人事関連職に就きました。場所柄モデルやタレントのお客さんも多かったですね。サロンに来る東京の女性を見てまず思ったのが『みんな歯がキレイ』ということ。今まで自分の歯並びについて考えたことはなかったんですが、キレイな女性たちを見て『歯をキレイにしなくちゃ』って。それで、自宅近くの歯科医でセラミックの施術を受けたんです。でも仕上がりはいかにも『セラミックです!』みたいな分厚い歯になってしまって(笑)。その後、いろいろと調べて、美容医療でセラミック治療のやり直しをしたんです」
その後、31歳で結婚、出産。子育てを楽しむ中、2度目となる美容医療と向き合う機会が訪れる。
「今みたいに“自撮り”をすることもなかったし、自分の写真を見る機会も少なかったんです。子どものイベントで写真を撮る機会が増えて、ママ友などからもらった自分の写真を見てびっくり。子育てが楽しくて笑顔も増えた分、笑いジワもできたし、『私の顔ってこうなんだ』と愕然としてしまって……。そこから額や目尻などにボトックス注射を定期的に受けるようになりました。それ以来、2人目の妊娠、出産、授乳期間以外は、だいたい半年に1回継続的に受けています。
そして30代後半になって、子どもの誕生日会で撮られた写真を見て、また『わぁ……』と老いを感じることがあり(笑)。1年に1回のペースで糸リフトの施術を受け、3〜4カ月に1回ハイフを取り入れるようになりました。その治療のときに、医師に相談しながらヒアルロン酸注射を追加することもあります」
自分の顔に何かが“プラス”されるのは違和感がある
「新しい施術には常に興味がある」と言う神山さん。気になる施術は積極的にカウンセリングを受け、体験するようにしている。
「出産で17kg太ったんですが、体重や体型はだいたい元に戻ったんです。でもついてしまった内腿の肉が取れなくて。それでクールスカルプティング(脂肪組織が他の組織よりも低温に弱いという性質を利用し、脂肪だけを冷却して脂肪細胞を除去する施術)を受けました。細くはなったんですけど、考えてみればもうそんなに太腿を出す洋服なんて着ないな、と(笑)。あと、唇と目の下にヒアルロン酸を入れて“ぷっくり”させる施術も受けました。でもそれもなんだかしっくりこなくて」
いくつか美容医療を体験するうちに、ひとつの境地に辿り着いたと神山さんは語る。
「自分の顔に何かが“プラス”されるのは違和感がある。自分はアンチエイジングに興味があるのであって、顔を変えたいわけではないんだと気がついたんです。シワやたるみをメイクやヘアスタイルで隠しながら生きていくというのはネガティブな感じがするし、イヤなんです。『若返りたい』とは思っていませんが、現状維持を心掛けていれば、大きく老けないでいられるんじゃないかって」
絵を描くことは妻でも母でも女性でもない、自分の内面と向き合える時間
2人の子どもをもつ神山さんは、現在は休職中。無添加の食品を選ぶなど食生活にこだわり、家事に育児に奮闘している。そんな神山さんの楽しみは、絵を描くこと。
「もともと絵を描くことが好きで高校時代は教室に通っていたこともあります。出産してからはあまり時間がなかったのですが、最近は時間を見つけては絵を描くようになりました。絵を描いているときは、家庭のことも、明日のことも考えていない。『この絵をどうしたら良くできるか』ということしか考えていないんです。妻でもなく、母でもなく、女性でもない、アートに集中できる時間で、唯一自分の内面と向き合える時間だと思っています。これからもうまくこの時間を増やしていけたら、と思います」
2人の子どもは女の子。いずれ美容医療に興味を持ち始めるだろうと考えている。
「親としては『そのままで可愛い』と言い続けていきますが、年頃になったら美容医療に興味をもつときが来るかもしれない、とは思っています。本人が悩んでいて、やりたいことだったら全力で応援したいですね。そのときの私の役目は間違いなく、その分野で一番良い先生を探してあげること。自分も一度歯で失敗しているので、リサーチは徹底的にします。
私の母はおっとりしていたので、子どもの頃から長女の私がなんでも率先してやってきたんです。今は私がしっかりしすぎて、子どもがちょっと頼りなくなってきているかも(笑)。無理強いしない距離で見守りながら、子どもにはやりたいことをやらせてあげたい。そして自立した女性になってもらいたいなと思っています」