【美容医療トーク】探偵と会社員と美容ナース ミドル男性3人が考える「見た目を磨くことのメリット」とは?
世代別、どんなときに見た目が気になる?
――皆さん、ヒゲ脱毛を経験済みです。美容医療の施術を受けようと思ったきっかけはなんですか?
河相:見た目をどうにかしようと思ったのではなく、カミソリ負けをなんとかしたいと思ったのがはじまりでした。(写真 右)
けんたろう:僕がヒゲ脱毛をしたのは23歳のとき。肌荒れもありましたが、同年代よりもあご周りが青いのが気になって。目立っていたのがすごく嫌でした。(写真 中央)
戸塚:僕は身だしなみとしてですね。探偵という職業柄、仕事が不規則で、24時間仕事が発生する。急にお客さんに会うとなっても対応できるようにと。(写真 左)
――単純に、見た目を改善したいというだけではないんですね。では、見た目が気になるのはどんなときですか?
河相:写真を撮ったときです。プライベートで旅行に出かけてSNSにアップするとき「肌が汚いな」とか「痩せなきゃ」とかは思いますね。
けんたろう:僕は、オンライン会議が気になりますね。角度によって疲れ顔に見えていたり。あとは、女性とデートする前。脱毛はしていますが、夕方になると青みが増すので(笑)。
戸塚:今、51歳なんですけど、見た目の衰えはいろんなシーンで感じてますね(笑)。
河相:年齢はありますよね。私自身、ヒゲは薄いほうだと思っていましたが、30歳を過ぎてから夕方に青みが強くなったのを感じました。
戸塚:私も40代になってからそれは思いました。
けんたろう:僕は23歳で初めて脱毛しましたが、同年代で脱毛してる友達は多いんです。25歳のときには、ほうれい線が気になり始めました。
――若い世代のほうが見た目を気にする年齢が早いですね?
河相:それは感じます。社内でも20代のほうが見た目に対するモラルが高い。昭和世代は新幹線や飛行機でたばこが吸えた時代なので、雑な感じはありますよね(笑)。
戸塚:見習っていかなきゃね(笑)。
――世代というより時代でしょうか。かつて男性が見た目を気にするのはみっともないという風潮もありました。
河相:昔は“めめしい”という言われ方をしました。男性は外に出て働く、女性は家を守るというように男女の役割がはっきりしていましたね。でも時代とともに男女の垣根が薄れてジェンダーレス化しています。
けんたろう:僕らが美容に関心が高いのは、SNSが浸透した世代だから。昔は、雑誌やテレビの中の人だけが、きれいだったり、かっこよかった。でも今は、誰もがSNSで憧れの存在になれるし、共感のハードルも下がっている。誰にでも“表現の場がある”ということは大きいんじゃないですかね。
戸塚:昔は写真を撮るといったら家族写真。SNSなんてありませんからね。
河相:見られる場面が増えたから、見た目を意識する人口も増えたのかもしれませんね。
第一印象のいい人って、どんな人?
――第一印象のいい男性は、どんな要素を持っていると思いますか?
河相:身だしなみに気を遣っている人ですね。仕事で会うときにスウェットで来られると、この先もこうなのかなと付き合いを考えます。
けんたろう:清潔感です。ヒゲを剃っているかどうかとか、自分に会うために労力をかけてくれるのがわかると気持ちいいですね。
戸塚:身だしなみが整っていれば、相手にとってもごきげんな印象を与えますよね。
河相:緊張感をほぐしてくれるのかもしれません。今日は、探偵ってどんな人が来るんだろうと思いましたが、戸塚さんが警戒心をといてくれる見た目だったので、印象がよかったです(笑)。
――では、第一印象で皆さんが気を付けられていることは?
けんたろう:自分のキャラは考えます。美容クリニックでは制服があるのでナースだとわかってもらえますが、外で美容ナースとして発信するときは清潔感を意識して。SNSで発信するときは立ち居振る舞いも意識しています。
河相:品質保証という堅い職業柄、ジャケットを着てラフな格好はしないようにしています。
戸塚:僕も普段、ネクタイは締めませんが、仕事のときはちゃんとしていますね。
――皆さん努力されていますが、見た目で印象を良くしようとしている男性は、一般的にどう評価されていると思いますか?
河相:いかに"不快を持ち込まないか"が大事。セクハラもそう、何をしたかよりも誰がしたか、のほうがリアクションがでかい。好かれるというよりも、“嫌われないレベル”をどのように上げていくか。少しぶつかってしまったとき「うわ、嫌だな」と思われるのではなく「まぁまぁまぁ」とスルーしてくれるレベルを目指しています。電車とかでも隣に抵抗なく座ってくれるとか、マイナスにはならないように(笑)。
けんたろう:僕は自分軸で美容を取り入れているので、周りはあまり意識したことがないかも。とはいえ、カップルなど、男女でお互いの美容をシェアするのは当たり前になっていたり、美容もジェンダーレス化しています。お互いに評価しあうというのは大切だと思う。
河相:女性は気づいてくれるけど、男性はそこまで他人の美容に興味がない。評価するまでには至ってないのが正直なところですかね。
――男性同士では評価しないんですね。では、女性の評価は気になりますか?
けんたろう:当然気になります、やっぱりモテたい。僕も20代後半から35歳くらいの男性に向けてコンテンツをつくってますが、そのモチベーションは大きいですね。
河相:男性は根源に“モテたい”があると思う(笑)。私は44歳ですけど、むしろ最近のほうがその気持ちが強い。30代は子育てで忙しくて、40代でそれが落ち着くと、オスとしての側面が強くなるのかもしれません。
戸塚:もちろん、僕もモテたい。男性に脱毛してもらいたいというのは女性のニーズ。何歳になっても、女性のニーズには応えたいと思いますよ。
河相:女性に言われたら響きますよね。アンケートを取って、女性が男性に脱毛してほしいという結果が95%だったら、脱毛しようとなる(笑)。
戸塚:間違いないですね!
見た目を磨くと、ビジネスシーンではどんなメリットが?
――見た目を磨いたことで、ビジネス上のメリットを感じたことはありましたか?
河相:クライアントの懐に入りやすくなりました。品質保証という堅い職業柄、業界で多いのは50〜60代の男性。美容を意識していない人が多いんです。そんななか、BBクリームを塗ったり爪を整えたりしている自分をクライアントさんに紹介されると、良い意味でギャップがある。爪は名刺交換の際に気付いていただけることもあります。品質保証なのに、こんな人がいるんだと興味を持ってもらえますね。
けんたろう:男性のナースは普通にいますけど、美容クリニックとなると少ない。そんななかできれいにしていると、説得力が増すというか。男性のお客様に「相談しやすくなった」と言ってもらえました。
戸塚:僕の場合は、探偵として非常に深刻な相談を受けるケースが多い。そういう点では、人間に話しかけていることを忘れてしまうくらい、思ったことを話してもらいたい。無精ひげでだらしない格好をしていると印象が強くなってしまいますが、きれいにすることで、少しでも気にならない存在になれることはメリットなのかなと思います。
――何れも信頼を得る効果があるようですね。仕事に広がりはありましたか?
河相:私は化粧品会社に勤務している一方で、3〜4年前に品質保証の会社を起業しました。顧問契約してもらえたお客様は“ちょっと変わった人がいる”と紹介してもらったご縁もあるので、美容は差別化戦略になっています。
けんたろう:以前は大手の美容クリニックで働いていたのですが、美容が好きということを発信するようになってから、今のクリニックにお声がけいただきました。今は、フリーの美容ナースです。
――ステージが変わってますね。仕事をする上での気持ちの変化などはありましたか?
戸塚:思い込みかもしれませんが、周りからのウケがよくなった。柔らかさが出たのかなと。
河相:戸塚さんは雰囲気いいですよね。営業としてすごい売上げを持ってそうです。私自身も柔らかくなったのは感じていて、30代までは理詰めで感情を排除して仕事をしていました。でも、いまは情緒的な部分が出てきて、女性がなぜ化粧をするのかも理解できた。仕事も理詰めだけで人は動かない、そういうところに気づけるようになりました。
けんたろう:僕も昔は筋トレしてて、ちょっとオラオラしていたと思います(笑)。けど、今は自分のスタイルはそれじゃないと思うようになりました。
河相:20代の頃は私もワイルド系がモテると思ってブーツとか履いてましたが、実は好青年タイプの方がウケはいいのかもね。行動面でも、大衆居酒屋に行くんじゃなくて、おしゃれなカフェに行くようになりました(笑)。
――見た目を整えたことで、ビジネス上のメリットは思った以上に大きかったですか?
河相:私はすごく大きかったです。給料を上げるのも英語を話せるようになるのも時間がかかるけど、見た目はすぐに変えられる。人に気づいてもらいやすいのでモチベーションも高まります。美容医療はかけた費用に対してフィードバックが大きい。
けんたろう:僕は仕事も変わったので、かなり大きいです。僕らの世代は美容が当たり前になっているけど、皆さんを見ていると世代も職業も関係なくメリットがある、というのは改めて感じました。
戸塚:ヒゲ脱毛は、時短にもなっています。ヒゲは夕方にもう一度剃ることもあるし、女性が思っているよりも面倒だし時間がかかる。とてもラクになりました。
河相:ヒゲ脱毛をして一番言われたのは「若くなった」ということ。そこはうれしいですね。若い世代が求める上司像も変わってると思います。働かないオジサンは嫌われる。机に座って指図するよりも一緒になって動いてくれるような若さやアクティブさが求められているような気がします。
戸塚:限定的な話ではありますが、探偵だと相談されるときに目立たないほうがいいわけです。遺書を残して失踪したとか深刻な問題のとき、最終的に目立ってはいけない。世の中に溶け込まなきゃというときに無精ヒゲはない。そもそも、探偵と言ったら、ヒゲにコートで煙草を吸いながら尾行……というのは古いイメージ。営業するうえでも、相談相手に対しても、現代的な“探偵らしく”ありたいと思います。
――余談ですが、探偵業界で採用するとしたら、どんな人が好ましいですか?
戸塚:能力が全く同じの場合、どちらかを選ばなければならないとしたら、見た目は「なるべく印象に残らない人」を選びます。一般的な考え方とは逆ですが、良い意味でも悪い意味でも、見た目の印象って大事ですよね。
――ビジネス上、見た目を整えることは世の男性におすすめできますか?
けんたろう:はい。先ず悩みを持っている人に対して、自分の経験は届いてほしいですし、人生が良い方向に向くきっかけになりたいと思っています。全員が全員ではないでしょうけど、選択肢としてあるのは伝えたいですね。
河相:よくすすめています。若い世代のキャリア相談を受けるときに、どんな専門知識を増やしたらいいかの実務的なアドバイスもしますが、見た目は手っ取り早く差別化できると伝えています。どれだけプラスになるかというよりも、“マイナスがない”。リスクをとらずにメリットがあることって、今の時代になかなかないと思います。
戸塚:少なくとも、会議室が臭ったりしたときに犯人にはされないですよね。僕じゃないという信頼感がある(笑)。
河相:逆に夕方に青ひげになっている人を見てざわざわしたり、「あの人脱毛したら絶対痛そうだな」とか、余計な心配をしちゃう。そういうデメリットはあるかもしれないですね(笑)。
ありのままが一番? 今の時代で「自分らしく生きる」とはどういうこと?
――美容医療はある意味、手をかけた美しさです。「ありのまま」がいいという意見もありますが、どう思いますか?
けんたろう:僕自身は、脱毛以外に眉下切開法という美容医療をやっています。まぶたの腫れぼったさがあって二重の幅が狭くなって、寝起きの顔をしていたんです。それを解消するために外科手術を受けました。
河相:よく決心されましたね。
けんたろう:親からは反対もされました。でもこれをきっかけに自分に対して肯定的になれたんです。
戸塚:なら、いいですよね。
けんたろう:外科手術をして、自分らしく表現できるようになったのかなと思います。
河相:「自分らしさ」って自分を正直に受け入れることかなと思います。自分らしく生きている人って好き勝手にしてるから、個性がどうとか言わないですよね。
けんたろう:自分に正直にいられるっていいですね。
河相:みんなやりたいことをやればいいと思うんです。お金がほしいとか、かっこよくなりたいとか、欲望をむき出しにできるのが生きてるってこと。それが「らしさ」じゃないですか?
戸塚:何歳になっても好奇心は持ち続けていたい。そう思いますね。
けんたろう:人生の先輩の言葉として重みがあります。これからも、堂々と自分らしく生きたいと思います。