Documentary

シミやクマのない美肌でもっと自由になった、
フリーランスの美容師という生き方

2023.12.29
miki
取材・文:平川 恵
撮影:SHOTA SOTODATE
取材協力:somewhere
miki 施術経験は、クマ取り、シミ取り、ほくろ取り、肩ボトックス。
フリーランスの美容師&ヘアメイク。豊富な美容の知識を生かしてSNSの発信を行うほか、自らデザインしたアクセサリーの販売など、多岐に渡って活動中。1988年生まれ、東京都出身。趣味は旅行、バスケットボール。
YouTube
Instagram
美容師として、またヘアメイクアーティストとして活動するmikiさんは、美容のプロとしてSNS を活用して情報を発信している。今まで以上に自分の顔を客観的に観察する中、気になっていたシミやクマを美容医療でなくしたことで自信がつき、さらに動画発信も前向きに行えるようになったという。

自らが情報発信をしていかないと美容師は埋もれてしまう時代。
活用したのはSNS の力

美容師やヘアメイクなど多岐に渡って仕事をしているmikiさん。ヘアサロンの激戦区に身を置く自身の活動を広く知ってもらうために活用しているのがSNSだ。

ONEドキュメンタリー取材miki takami さん

「インスタを始めたのは、今のように集客ツールとして活用されていなかった6年前のことです。その当時、インスタは日記代わりとして使っていました。そんなある日、私のインスタを見て一人のお客さんがお店に来てくれたんです。知らない人が私のSNSを見て、髪を切りに来てくれる。インスタは集客ツールになるんだと思ってから、SNSの発信に力を入れ始めましたね」

コロナ禍でロックダウンをしたときには、YouTubeによる美容情報の発信を始めた。

「周りにはまだYouTubeをやっている人が少なかったですが、自分が好きなことはやっぱりメイクだなって気が付いて、(メイクのトライアルなどを)配信するようになったんです」

派手な演出はなくmikiさんのセンスが光るシンプルな構成で見やすいYouTubeは、徐々にファンを増やし、チャンネル登録者は、2023年12月現在1.14万人超。爆発的に多い人数ではないが、いち美容師としてはなかなかの人数だろう。

画面を通して人に見られる機会と同時に、撮影も編集も自分で行う中で自身の姿を客観的に観察することが劇的に増えた。気になってきたのが肌の欠点だ。

ONEドキュメンタリー取材miki takami さん

「動画の撮影や編集で自分の顔をよく見ます。その間、顔にシミやクマがあるのがずっと気になっていて。もうちょっときれいでいたいな、シミ取りぐらいだったらチャレンジしようかな、と思ったのが美容医療を始めたきっかけでした」

美を生み出す仕事だからこそ、
みんなが知りたい目線で美容情報を発信する

シミ取りはメスを使わない「Qスイッチレーザー」で行った。美容医療の中でもハードルが低い割には、多くの人が悩むシミのため、それらに関する施術は注目度も高い。シミが消えていく過程をmikiさんは動画内で写真を交えて分かりやすく解説している。

シミ取り以上に注目を集めた動画が「肩ボトックス」だ。これは硬くなった肩回りの筋肉にボトックスを打って、こりを和らげる施術だ。

ONEドキュメンタリー取材miki takami さん

「フリーランスになってからは、以前はアシスタントさんにお願いしていたシャンプーも自分で行うようになり、肩がこるようになりました。前かがみでシャンプーの作業をすると肩から背中にかけての僧帽筋あたりがこり、筋肉が付くんです。盛り上がった肩をスッキリさせつつも肩こりを和らげるボトックスは、まさに一石二鳥の施術だと思いました」

mikiさんは、ボトックスを打ったおかげで鍼に通う回数が減り、思い通りの効果を体感できたそうだ。しかし、その一方で肩の筋肉の負担が減った分、首に負担がかかり、首がこったのだとか。動画では、このようにメリットだけでなくデメリットもきちんと伝えていて、その点も視聴者に受けている。プロならではの視点を交えたメイクやスキンケアのトライアル動画も人気だが、数あるコンテンツの中でもこうした美容医療を解説した動画は多くの再生数を獲得しているのだ。

そして、最近受けた施術はクマ取りだ。クマにはいくつか種類があり、血行不良による「青クマ」、色素沈着による「黄クマ」、目の下の脂肪や加齢による皮膚のたるみが引き起こす「黒クマ/影クマ」がある。中でもmikiさんが悩んでいたのが「黒クマ/影クマ」。目の下の影の原因となっていた脂肪を除去(脱脂)する施術を受けた。

ONEドキュメンタリー取材miki takami さん

「下まぶたの裏をメスで切って脱脂しました。時間がかかる施術だと思ってましたが10~15分ぐらいでパッと終わって驚きました。私のクマは昼間だと自然光で目立たないのですが、夜になると影が濃く出てしまって、疲れ切った顔に見えるんです。クマ取りのおかげで表情が明るく、涙袋が際立ち、若返ったように見えます。シミもクマも動画を編集しているときに気になっていましたが、美容医療でそれらが目立たなくなってよかったです」

シミやクマはメイクの技術を駆使すれば、コンシーラー等で目立たなくすることができる。しかし、あえて美容医療を選んだのはこんな理由もある。

「コンシーラーを塗れば塗るほどシミやクマは消えるけど、その分時間が経つと崩れる原因にもなります。20代の頃は大好きなメイクで飾って隠すこともしてきましたが、30代の今はよりナチュラルなメイクを求めるようになりました。もちろん流行は取り入れていきたいのですが、今は素材を生かしてメイクを仕上げるのが気に入っています」

ONEドキュメンタリー取材miki takami さん

わずかな違いで差が出る美容の世界を
フリーの立場で探求していく

美容師は一見華やかではあるが、辞めていく人も多い仕事だ。離職者が多い理由は激務。見習いとして働くアシスタント期間は薄給で、休みはほとんどない。「20代の頃は寝る時間もなく働いていました。睡眠時間も2~3時間くらいでした」とmikiさんもその当時を振り返る。

mikiさんは高校卒業後に美容学校へ進学。卒業後は美容師として15年間活動を続けている。激務だった下積み時代を乗り越え、今もこうして美容師を続けている理由は、美容への飽くなき探求心だ。

ONEドキュメンタリー取材miki takami さん

「美容の流行って本当に流れが速くて、しかもゴールがない。どんどん変わる状況に合わせて自分も変化していかなくてはいけない仕事だけに、ステップアップが実感できる仕事でもあります。だから私は、“仕事を辞めたい”よりも“面白いな”っていう気持ちが強かった。それが今まで続けてこられた理由なのかな、と思います」

その探求心の先にあるのが、美容を通して美しく変わることで獲得できる「喜び」だ。

「ヘアスタイルひとつにしても1㎝切るだけでその人の表情も変わるし、それが面白いです。私自身も髪のメンテナンスでキレイになると心地よくて、それが自信につながる。見た目が変わると外を歩くのも楽しいです。その喜びをお客様に実感いただけている今の仕事はやりがいがあり、楽しいな、って思います」

近年、都市部で増えてきているのがフリーランスの美容師だ。ヘアサロンに就職するのではなく、サロンと業務委託を結ぶ、あるいはシェアサロン等を活用して仕事をする働き方だ。活動の責任を自身で負うリスクはあるが、ライフスタイルに合わせた自由な働き方ができるとあって、経験を積んだ美容師にフリーランスという形態が選ばれている。あくまでもmikiさんの体感だが、都市部のヘアサロンでは2~3割がフリーランスで働いているそうだ。

ONEドキュメンタリー取材miki takami さん

mikiさんは5年前よりサロン勤務からフリーランスに移行した。今は美容師を主軸に、ブライダルのヘアメイク、オリジナルアクセサリーブランドupe(ウペ)の販売と、3つの仕事を掛け持ちしている。どれもmikiさん自身が好きなことであり、やりたかったことだ。美肌になって定期的にアップしている動画も、そんなmikiさんの活動を支えている。

「私はやりたいことがいっぱいあって30歳のときフリーランスになったんですが、フリーランスになった今は週に2日お休みが取れて、生活を楽しむ時間が増え、ヘアメイクやアクセサリーデザインなど、自分の好きな仕事ができるようになりました。今後は増やしてきた枝の一本一本をもっと成長させていきたいと思っています」

ONEドキュメンタリー取材miki takami さん
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